せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

上町台地と融通さん・上本町を歩いて(前編)

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遅い梅雨入りが間近な頃、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。

大阪上本町駅

直通特急から尼崎で阪神なんば線の電車に乗り換えて着いたのは大阪上本町駅です。
大阪市街の東側に位置し、駅の上には近鉄百貨店のビルがそびえていました。

融通さんまいり

ビルに囲まれた大阪上本町駅から千日前通りを西に少し歩くと谷町九丁目交差点です。南北の通りは谷町筋で、通り沿いにはビルが建ち並んでいます。地下にはOsakaMetro谷町線と近鉄難波線が通り、まさに大阪の市街地という雰囲気ですが、交差点の南西角は少し違った趣で、「融通さんまいり」という石碑が立っていました。

藤次寺

交差点から谷町筋を少し南下したところに朱塗りの門がありました。
こちらは融通尊藤次寺です。

藤次寺の歴史は古く、平安時代に遡ります。平安時代前期の弘人年間に公卿の藤原冬嗣の発願により、冬嗣の甥の任瑞上人を開祖として建立されました。藤原氏を治める寺ということで建立当時は「藤治寺」とされていたのが、明治時代に「藤次寺」となって今に至ってます。中世から近世にかけては広く信仰を集めて、広大な寺域を持つ大寺院となったそうですが、昭和20(1945)年の大阪大空襲で堂宇は焼失し、復興都市計画の中で現在の場所に移されています。

藤次寺の境内

朱塗りの門をくぐると藤次寺の境内が広がっています。線香の香りが漂う境内は大阪の都心にあるとは思えないような雰囲気でした。

こちらの藤次寺の本尊は如意宝珠融通尊という仏さまです。この本尊の名前の「融通」が願い事を融通することに通じ、「大阪の融通さん」として親しまれています。毎月1の付く日は藤次寺の縁日で、多くの参拝者が訪れています。

上町台地の坂道

藤次寺を後にして谷町九丁目交差点に戻ります。西を見ると日本橋方面へ向けて坂道が続いています。大阪上本町駅があるのは上町台地の上で、この光景を見るとまさにその名の通り「上本町」であることがよくわかりますね。

次回も上本町周辺を歩いてみたいと思います。

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