こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前回に続いて、西舞子地区から垂水区の丘陵を歩いてみたいと思います。
海沿いのイメージが強い西舞子地区ですが、六甲山地から続く丘陵が海に迫る地形から、海沿いを離れると急な坂道が続きます。こうした光景はいかにも垂水区という雰囲気ですよね。
坂道を上り詰めると、山田川を挟んだ丘に垂水の街が広がる景色を眺めることができました。
住宅街の一角に木々に囲まれた公園がありました。こちらはきつね塚緑地です。
公園の中には小さな丘がありました。こちらは狩口台きつね塚古墳です。
明石海峡を見下ろす高台にある狩口台きつね塚古墳は6世紀後半頃の古墳時代後期に築造された古墳です。五色塚古墳などと比べると比較的新しい古墳で、前方後円墳ではなくシンプルな円墳ですが、古墳の周囲の環濠が二重であったのが特徴とされています。こちらの古墳に埋葬されている人物も詳しくはわかっていませんが、五色塚古墳と同じく明石海峡を見下ろす立地であることや、副葬品に須恵器や鉄器など当時では先進的なものが見つかっていることから、有力な豪族であったことをうかがうことができます。
狩口台きつね塚古墳を眺めてみました。木々や草木に覆われ、住宅に囲まれた今は古墳であることもわかりにくくなっていますが、改めて眺めてみるとそれなりの高さのある墳丘に被葬者の力を感じることができるようです。
狩口台きつね塚古墳からは住宅の合間に播磨灘のきらめく水面を眺めることができました。狩口台きつね塚古墳に埋葬された人物たちもこの景色を眺めていたのでしょうか。
住宅地の中に古代からの歴史を感じる西舞子や狩口、どこかこの地域の奥深さを感じる旅となりました。