紅葉の盛りも過ぎつつあり、年末が迫る頃、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。

妙見山を訪ねる途中に立ち寄ったのは能勢電鉄の多田駅です。

駅前からは石畳の道が伸びていて、道路脇には「多田御社道」と刻まれた石碑が佇んでいました。

駅前からまっすぐ伸びる道を歩いていくと、猪名川のほとりに出ました。

猪名川沿いの住宅地の中を歩いていると、立派な石垣が現れ、急な石段の上には楼門がそびえています。こちらは多田神社です。

多田神社の歴史は非常に古く、平安時代に遡るといわれています。天禄元(970)年、清和源氏興隆の祖とされる源満仲がこの地に居館を構えて、多田院鷹尾山法華三昧寺（多田院）という寺院を建立したことが始まりとされています。現在の多田神社は神道の神社ですが、明治時代まで千年近くの間は寺院で、この周辺の地名には今も「多田院多田所町」「多田院西」のように「多田院」の名前が残されています。現在では源満仲から曾孫の義家までの五代を祀り、清和源氏発祥の地とされています。

石段を上がると南大門がそびえていました。神社になった今でも建物の呼び名には仏教寺院だった頃の名残が残されています。

次回も多田の地を歩いてみたいと思います。