せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

国際貿易港は今も・新港町を歩いて(前編)

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初夏の花が咲き始めた頃、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。

阪神神戸三宮駅

直通特急で着いたのは阪神神戸三宮駅です。

フラワーロードを歩いて

阪神神戸三宮駅から地上に出てフラワーロードを歩いてみることにしました。現在は三宮の東側を流れている生田川はかつて今はフラワーロードとなっているこの場所を流れていました。広々とした道路を新神戸駅・三宮駅と神戸のウオーターフロントを結ぶ「PortLoop」の青い連節バスがちょうど走ってきました。

神戸税関

阪神高速の高架橋を潜った先に、ちょうど旧生田川の河口近くに当たる場所に時計塔が目立つ近代建築が佇んでいました。こちらは神戸税関の庁舎です。

神戸税関旧館のホール

神戸税関は兵庫県から中国・四国地方を管轄する現役の税関ですが、旧館の建物が歴史的な建築物であることや、「開かれた税関」を目標としていることから内部の見学が可能です。時計塔の目立つ旧館側の東門を入るとそこは重厚な雰囲気の漂うホールでした。

神戸に税関が設けられたのは慶応3(1868)年のことで、神戸港の開港に伴って江戸幕府が設けた兵庫運上所が始まりでした。その後、運上所は新政府に引き継がれて神戸税関となります。税関となった後の初代の建物は現在の場所の山手にありましたが、大正11(1922)年に火災で焼失してしまい、現存していません。今は旧館となっている二代目の庁舎が建てられたのは昭和2(1927)年のことでした。大蔵省営繕部の手による建築で、今もシンボルとなっている時計塔を設けた庁舎は港町を象徴する建物となりました。

神戸税関の中庭

ホールを抜けると芝生の張られた中庭が広がっています。奥にそびえるのは平成10(1998)年に建設された三代目の庁舎で、税関全体を船に見立てると三代目の庁舎が船のブリッジのように見えるように作られているとのことです。

旧生田川の河口付近に広がる新港町は税関を始め、港町・神戸を象徴するような街並みが広がっています。次回、もう少し歩いてみたいと思います。

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