せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

さよならケーブルカー・能勢妙見山を訪ねて(前編)

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そろそろ紅葉の季節を迎えるころ、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。

妙見口駅

阪急宝塚線の川西能勢口から日生中央行きの能勢電鉄に乗り換え、さらに山下駅で乗り換えて着いたのは妙見線の終点の妙見口駅です。能勢電鉄の沿線には住宅地が広がっていましたが、妙見口駅の周辺はのどかな里山が広がっています。

吉川の里

妙見口駅から歩くことにしました。道沿いには田畑が広がり、柿が実っています。

ケーブル黒川駅

妙見口駅から15分ほどで妙見の森ケーブル黒川駅に着きました。妙見口駅は大阪府豊能町ですが、歩いている間に県境を越えて、ケーブル駅があるのは兵庫県川西市です。

能勢電鉄と妙見の森ケーブルはこの先、能勢妙見山への参拝客輸送の目的で開業したのが始まりでした。妙見線が妙見駅(今の妙見口駅)まで開業したのは大正12(1923)年で、能勢電気軌道(今の能勢電鉄)と地元有志の出資する妙見鋼索鉄道のケーブルカーが開業したのは大正15(1925)年のことでした。鉄道とケーブルカーの開業で能勢の山深くにある能勢妙見山への交通アクセスは飛躍的に向上しました。しかし、太平洋戦争中の昭和19(1944)年に妙見鋼索鉄道のケーブルカーは不要不急路線として廃止。レールなどは資材として供出されてしまいました。

妙見の森ケーブル

現在の妙見の森ケーブルは戦後の昭和35(1960)年に妙見ケーブルとして復活したものですが、令和5(2023)年12月3日の営業をもって廃止となることが決まっています。別れを惜しむ人たちでケーブルは混雑していて、15分ほど並んでようやくケーブルカーに乗ることができました。

お別れの迫るケーブルカーに乗って能勢妙見山を訪ねてみたいと思います。

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