10月末が近づき、秋の深まりを感じるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
神戸市営地下鉄西神山手線で着いたのは緑に囲まれた県庁前駅です。繁華街・三宮から一駅ですが、駅の周辺は行政機関の庁舎やマンションなどが建ち並び、都心にありながらどこか閑静な雰囲気です。
県庁前駅のすぐそば、木々に囲まれて佇むのが兵庫県公館です。
立派な門の横から公館の前庭へと進みました。木々の合間から、風格ある建物が姿を現します。
現在は兵庫県公館として兵庫県の迎賓館や県政資料館として使用されているこちらの建物ですが、もとは兵庫県の県庁舎として建てられたものです。明治維新で兵庫県が設置されたのは慶応4・明治元(1868)年のことでした。当時の県域は現在の兵庫県のような広大なものではなく、現在の兵庫区やその周辺の旧幕府領がそのまま兵庫県になったもので、県庁は旧大坂町奉行所兵庫勤番所に置かれました。こちらは現在、「初代県庁館」として当時の建物が復元されています。その後、県域の変遷に伴い、県庁舎は兵庫から神戸の山手へと移転します。そして、4代目の県庁舎として建てられたのが今の兵庫県公館でした。
木々に囲まれた兵庫県公館を見上げてみます。こちらの建物は昭和20(1945)年の神戸大空襲で内部を焼失しましたが、戦後に復旧工事が施されて昭和58(1983)年まで現役の庁舎として使用されてきました。その後、改修工事を経て、現在の兵庫県公館となりました。
兵庫県公館を出て、さらに山手へ向かいます。住宅地の中に立派な門が佇んでいました。こちらは相楽園です。
次回は相楽園を訪ねて、秋の神戸の山手を歩いてみたいと思います。