せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

稲丘の麓・青山を歩いて(前編)

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すっかりと冬景色となった頃、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。

青山

山陽姫路駅前からバスに乗って到着したのは夢前川の畔の青山です。

青山の町並み

交通量の多い国道沿いに商店が建ち並ぶ景色の広がる青山ですが、国道を離れると住宅地の中に昔ながらの趣を感じる景色が続いています。

稲岡神社

街中にこんもりと木々の生い茂った丘がありました。この丘は稲岡山といい、『播磨風土記』には稲丘稲牟礼丘(いなむれがおか)という名で播磨の十四丘の一つに数えられています。この十四丘は大汝命が船から落とした荷物が丘になったという伝説があり、稲丘はその名の通り稲穂を落とした丘とされています。この稲岡山の麓に佇むのが稲岡神社です。

稲岡神社の境内

長い歴史を持つだけあって、境内には趣があります。

稲岡神社の主祭神ははるか古墳時代に丹波より勧請したという豊受姫大神です。十四丘伝説にちなんで、稲の神様が勧請されたのでしょうか。また、豊受姫大神のほかに射目崎大神なる神も合祀されています。もともと、射目崎大神は神功皇后の放った矢の落ちた「矢落の森」に建てられた社に祀られていましたが、この社が室町時代の応永元(1394)年に水害に遭ったため、この稲岡神社に合祀されたとのこと。この矢落の森はここから少し北側のJR姫新線の余部駅の辺りにあったとされていて、今も駅の裏に石碑が残されています。ちなみに、一説では射目崎(いめさき)という神の名前が訛って夢前川の名前になったと言われています。

青山を歩く

稲岡神社を後にして、青山の集落の中を歩くことにしました。昔ながらの曲がった道沿いには蔵のある民家が建ち並んでいて、商店の建ち並ぶ国道沿いとは別世界のような景色が続いています。

次回も青山を歩いてみたいと思います。