こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前々回・前回に続いて、姫路の白国地区を歩いてみたいと思います。
増位山への巡礼道を外れて、白国地区を歩いていくことにします。
住宅地の中を水路が巡っていて、姫路の中心市街とは少し違った趣です。この地域には豪族・白國氏の邸宅があり、古くから栄えていたそうです。変わった地名は古代朝鮮半島の新羅に由来するという説もあり、渡来人と関係があったのかもしれません。
山間の住宅地を歩いていると、路地の奥に立派な楼門がそびえていました。こちらは「播磨四の宮」こと白國神社です。
歴史ある神社だけあり、白國神社の境内は広々としています。
白國神社はとも言われ、長い歴史を持つ古社です。白國神社の由緒ははるか古代にさかのぼります。前々回に訪ねた佐伯神社にゆかりのある白國氏の始祖の稲背入彦命はこの辺りの地域を治める豪族でした。その孫の阿曽武命が妻の出産の際に神吾田津日売命を祀ったのが始まりとされています。この神吾田津日売命は木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)という呼び名のほうがよく知られていますね。その後、この神社は安産の神として広く信仰を集めるようになりました。
境内には木花咲耶姫命をモチーフにしたイラストもあり、楽しげな印象も感じます。
白國神社から白国地区を見下ろしてみました。
古くから栄え、廣峯や増位の山々への巡礼者を迎えてきた町並みを傾きかけた初秋の日差しが照らしていました。
ちょうどやって来た姫路駅へのバスに乗り、はるか古代からの歴史に彩られた町を後にすることにしました。