少し肌寒い日が続きますが、日差しにはどこか夏の気配を感じる頃、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
直通特急で着いたのは西宮駅です。
阪神本線の主要駅なこともあり、駅の中や周辺は店舗が建ち並んで賑やかな雰囲気です。
住宅地のイメージが強い西宮ですが、阪神西宮駅の周辺には昔ながらの街並みが続いていています。
西宮神社表大門
街中に土壁に囲まれて佇んでいたのが西宮神社です。こちらの表大門は「赤門」とも呼ばれ、その名の通り、かつての西国街道に面して朱塗りの楼門がそびえています。
西宮神社の創建時期は詳しくわかっていませんが、非常に古いといわれています。伝説でははるか古代、西宮の東の鳴尾に住んでいた漁師が神戸・和田岬の沖合で海中から引き揚げた神像を祀ったのが始まりとされています。時代が下り、平安時代にはこの地から北に鎮座する廣田神社の境外摂社の「浜の南宮」や「南宮社」と呼ばれる社の境内の夷社となりました。この夷社が中世から近世にかけて夷信仰の広まりとともに知られるようになり、発展していきました。
西宮神社の境内には南宮神社がありました。こちらは今も廣田神社の境外摂社とされています。
全国から信仰を集め、「浜の南宮」よりも大きな神社へと発展した西宮夷社は明治時代に入ると廣田神社から「大国主西神社」として分離し、のちに現在の呼び名である「西宮神社」となりました。ちなみに、「西宮」と言えばこちらの西宮神社が思い浮かびますが、地名の由来となった「西の宮」とは本来は廣田神社のことを指し、廣田神社自体や廣田神社の荘園を「西宮」と呼んだことに因んでいます。
松の木が青々として眩しいくらいの境内を涼しい浜風が吹き抜けていきます。
境内の神池にはカキツバタが鮮やかな花を咲かせていました。
西宮神社と西国街道の町、西宮をもう少し歩いてみたいと思います。