明石市内にはもう一つ、古い鉄道橋を保存している場所があります。JR西明石駅のすぐ近くにある上ヶ池公園。ここにかつて西明石駅をまたぎ、藤江・松江地区と小久保・鳥羽地区を結ぶ「小久保跨線橋」として使われていた鉄橋があります。
公園の中に鎮座しており橋としての役割はありませんが、散策コースと言うかジョギングコースの一部として活用されています。
文化庁より登録有形文化財に指定されています。
水色のトラス橋が青空と調和しています。
さて、この鉄橋。西明石に広大な機関区施設が出来た際、分断される南北の町を結ぶため、1927(昭和2)年に架けられたものですが、元々は1890(明治23)年、九州鉄道(国鉄を経て現在のJR九州)がドイツから輸入したもので、鹿児島本線などに使われていました。1994(平成6)年に西明石に新しい陸橋が出来るまで104年間、九州の近代化に貢献し、その後は明石の街を南北に結ぶ陸橋として長く使われてきました。
鉄橋の脇にはその歴史を解説する案内板とともに、鉄橋の構造も記されています。ここに保存されているのは鉄橋の靴にあたる「支承」と呼ばれる部品と、トラス上部を支えていたピンです。
JR西明石駅すぐですが、藤江駅からだと徒歩30分程度。今は無理ですが散策に良い時期になれば山陽電車で途中下車して歩くのも良いですね。
次回はおまけとして、もう少し古くて貴重な鉄橋をご紹介します。
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