楽しいむ〜さん一家

【電車会館】神戸市電945号を訪ねる【西新町】

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かつて、廃止された市電車両を引き取って集会所など住民のための「施設」として利用することが全国的に流行した時期がありました。神戸市でも同様、あちこちへ車両が引き取られ、いろいろな用途に使われていました。しかし市電も全線廃止されて50年。引き取られた車両たちもそのほとんどが老朽化により姿を消し、とうとう1両を残すのみとなりました。それが明石市の王子公園に設置された945号です。
公園の片隅に、電車の車体が設置されています。
「電車会館」と看板が掲げられた945号の車体。945号は900形と呼ばれた神戸市電の形式で、700形に始まる神戸市電スタイルをよく保っています。
車番。神戸市電特有の角ばった書体は、神戸市営地下鉄西神山手線の車両に引き継がれています。
この945号に飾られている同車の現役当時の姿。臨港線との交差部分。市電もそうですが、臨港線を走るDD13も懐かしいですね。

このように市電を利用した公民館や倉庫などは市内あちこちにあったのですが、む~パパが撮影出来たのは、西区神出町の牧場で使われていたものと、長田区でこの王子公園のように集会所として使われていたものの2か所だけでした。長田区の阪神高速道路下に設置されていた1020号。阪神大震災はくぐり抜けましたが、結局は高速道路復旧に支障することから、この写真撮影後に解体撤去されました。こちらは大きく手を加えられることもなく、色合いも含め市電時代の姿をよく残していたと思われます。(撮影:1995年3月)



市電廃止から50年。記憶にある方も少なくなっていますね。クリックにもご協力ください。
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【現存】三木鉄道と北条鉄道のLE-Car

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「LE-Car」かつて富士重工(スバルですね)が開発した軽快気動車で、一般には「レールバス」と呼ばれていました。国鉄から転換した第3セクター鉄道などが多く導入し、兵庫県では三木線と北条線(いずれも三木鉄道・北条鉄道として独立)向けとして1985(昭和60)年に登場しましたが、いずれも老朽化により姿を消しています。三木鉄道は残念ながら2008(平成20)年に路線自体が廃止となってしまいました。

このLE-Carですが、兵庫県内にまだ2両が残っています。む~パパ、久しぶりに状況確認のため出動しました。
三木鉄道ミキ180形 ミキ180-101。最初に投入された2両のうちの1両です。2002年に廃車後、飲食店の駐車場に置かれていましたが閉店により放置され、経営者が変わった現在では物置になっています。ご覧のとおり状態はあまり良くありません。
車輪は2軸で、単体の鉄道車両としては最小単位と言えます。車体はバスをベースとしているため、各部が同時代の富士重工製バスボディと同じパーツとなっています。
(参考)同時代の富士重工製バス。正面部分はほぼLE-Carと同一なのがお分かりいただけるかと思います。バスとしてもほぼ消滅したと思われます。(写真:群馬バス 高崎駅で撮影)兵庫県内では主要な事業者が採用しなかったため、あまり見かけなかったタイプの車体です。
こちらは三木鉄道車両の近所にある自動車工場に置かれている北条鉄道のLE-Car。フラワ1985形といい、こちらは開業に際し3両(フラワ1985-1・2・3)が製作されています。同時期の三木鉄道ミキ180形と同仕様ですが、側窓が観光バス仕様の連続窓となっています。3両のうち2両(1・2)は紀州鉄道に移り、うち1両(2)は廃車後有田川町鉄道公園で(和歌山県)動態保存されているため、驚くべきことに3両とも現存します。
どうやらこちらは鉄道好きと見え、信号機や遮断機が設置されています。お店の営業日は車両の見学も可能とのこと。パテで補修中のようで大事に保存されています。ひょっとしてエンジンが掛かる状態?なのかも知れません。
このお店にあった三菱初代ミニキャブ。子供の頃に見たことはありますが、まだあるとは・・・。

2軸レールバスの現存例は少ないため貴重な存在です。クリックにもご協力ください。
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【小寄公園】石原産業の蒸気機関車S108号

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先日ご紹介した小寄公園の神戸市電1155号。この公園には市電のほかにも蒸気機関車が1両保存されています。
公園では市電と向かい合いながらも少し離れた場所に展示される「S108」のプレートを付けた小さな蒸気機関車。石炭も水も機関車本体に積み込む「タンク機関車」です。軸配置は動輪3つのC型。「機関車トーマス」的なスケール感ではないでしょうか。


初めてむ~パパがここに来たのは1981年ですのでもう40年も前。再訪した現在、周囲には高いマンションが建ち風景は一変しましたが、機関車は変わらずここに置かれています。
この機関車は「S108」とあるように国鉄の機関車ではなく、元々は中国南部の海南島で使われる予定だったとのこと。これも先日ご紹介した夢前川そばの蒸気機関車と同じ日本車両(愛知県)で製造されたものです。しかし、戦局の悪化で外地へ送ることが出来なくなり内地で働くことに。結局一番長く働いたのは、大手化学メーカー石原産業(大阪市)の四日市にある主力工場に付属した専用線でした。

石原産業の専用線は四日市から塩浜まで延びていた国鉄(現JR)の貨物線からさらに先にあった工場専用線3本のうちの一つです(2008年廃止)。S108号は3㎞あまりの専用線で1967(昭和42)年まで過ごし、ここにやって来ました。小寄公園の前身本山交通公園は元々自動車教習所として1951(昭和26)年に開園しました。1971(昭和46)年に交通公園になり、その時、同年廃止の市電1155号が運び込まれたのは時期的に間違いないと思いますが、このS108号はそれより4年前の1967(昭和42)年からこの地に来ていたのでしょうか???

平和な余生を過ごすはずだった神戸。しかし1995(平成7)年1月17日、阪神大震災に襲われます。市電のほうは軽かったためか無事でしたが、S108号は横倒しとなり、周囲が落ち着くまでそのままの状態でした。しかし幸運にも解体は免れ、元通り起こされて今も大切に保存されています。

ただ、不思議なのは、どういった経緯でこの機関車が遠く四日市から神戸まで保存のために運ばれてきたのでしょうか。元の所有者である石原産業も大阪の会社で、む~パパの知る限り神戸に縁があるとも思えません。経緯をご存じの方がおられましたらご教示ください。

地味ながらその生い立ちにドラマのある専用線の機関車。クリックにもご協力ください。
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【あと2両】3000形3次車の今【山陽3000系】

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6000系増備により編成単位での3000系未更新車は全て姿を消しました。特に淘汰対象となったのは3000形3次車と3050形初期車で、例外的に2次車の一部に廃車が出たものの、未更新だった大部分の車両が姿を消したことになります。結果として現在3000系は未更新車がわずかに残るものの3000形2次車(3004~3020 ※3004は廃車)の更新車と3050形のうち空気ばね台車で登場したものだけとなりました。今回は3000形3次車のうち、去就が注目される「ホワイトエンジェル」こと3619号と、偶然1両のみ更新され残存した3506号をご紹介します。
アルミカー3100号の3号車として長らく活躍している3619号。旧標準色時代は非冷房で、冷房化と同時に現在の白色となったため、鋼製車ですが現塗装をまとったことはありません。アルミ製3500・3501とともに更新工事から外れ、今後の6000系増備により去就が注目されます。なお未更新車には3066号の4号車3638もあり、こちらの動向も気になります。(山陽塩屋~滝の茶屋間)
3060号。写真手前から2両目(3号車)に連結されている3506号。3次車では唯一更新工事を受け、今後も残存すると思われます。(東二見~西二見間)
(参考)3000形2次車の付随車3504号。3050形に組み込まれており、編成では1両だけ金属ばね台車を履いています。2次車は登場時、車外スピーカーが無く片側1か所ずつ後日取り付けられました。床面が低く3050形空気ばね台車編成とは車体形状が揃っているため違和感がありません。(東二見車庫)写真:山陽電気鉄道
こちらが3次車で唯一更新工事を受けた3506号。3500形のうち3506~3508は3次車で、3507・3508が廃車となったためこの3506だけが残っています。車外スピーカーが当初から片側2か所に取り付けられています。また3次車は3050形初期車とともに床面が高いため側窓位置も高く、他の3000系とは印象が異なります。3506号はこのタイプの車体では唯一の更新車で、現在3060編成と床高さを合わせたため屋根が他の3両より低くなっています。上の編成写真でも雨どいが1両だけ低いのが分かります。(東二見車庫)写真:山陽電気鉄道
更新工事のため大阪車両へ向かう3506号。隣の3061号の妻面には有名だった黒いHゴムが残っているのが分かります。(2012.8.6 東二見車庫)写真:山陽電気鉄道

3619号が姿を消せば3506号が唯一の3次車となります。クリックにもご協力を!
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【小野】神戸電鉄保存車1117号【カコテクノス】

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神戸市須磨区に本社を置く電機メーカー「カコテクノス」。鉄道車両のブレーキ制御装置や変電所の制御機器などを手掛け、三菱や日立、川崎重工などの大手メーカーへ各種部品を供給している会社です。今回、小野市にある同社の工場敷地に保存展示されている、神戸電鉄の車両を訪ねました。
神戸電鉄1117号。1100形(デ1100・サ1200)と呼ばれる車両で、同社の1000系列では最大勢力を誇りましたが、廃車が進み急速に数を減らしています。

神戸電鉄でも90周年記念ということで旧塗装の電車を走らせていますが、こちらに保存の1117号はそれより前から旧塗装となっており、ファンの間では話題となっていました。
現在走っている旧塗装復元車は、実は旧塗装時代は裾にオレンジの帯が入っており、完全に登場時の姿を復元したわけではありません。しかし、この1117号は元々この塗装ですし、やはり神戸電鉄と言えば2扉車の印象が強いので、とても価値が高いのではないかと個人的には思います。

とは言えこの車両、保存展示された当初はこの塗装ではなかったのです。

保存された当時の1117号。展示にあたり塗り直しているのですが、はじめは現塗装とされていました。(撮影:2011.8.27)

すでに10年前ですが、まだまだ現役の1100形が走っていまして、この塗装だとインパクトに欠けるかな、という感じでした。神戸電鉄も山陽電車もまだ旧塗装車をリバイバルして走らせる、ずっと前のことです。

ところが、この2年後、塗り直しにあたり突然旧塗装に!細かい事情は分かりませんが、ファンの声に応えたということなのでしょう。
旧塗装に塗り替えられた直後の1117号。ピッカピカです。(撮影:2013.12.15)

神戸電鉄小野駅から歩くと約1時間。コミュニティバス路線はありますが、よく時間を調べないと厳しいと思われます。

久しぶりに確認しましたが、さすが電車部品メーカーだけあってきれいな状態を維持されています。クリックにもご協力を!
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