楽しいむ〜さん一家

【小寄公園】神戸市電保存車1155号

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現在、普段公開されている神戸市電の保存車は2両あります。(この他、明石市内で公民館的に利用されているものが1両あります。)1両は先日ご紹介しました。
【廃止から50年】神戸市電1103号を久しぶりに見に行く
今回はもう1両、阪神電車の青木駅からほど近い東灘区の小寄公園というところに保存されている1155号をご紹介しましょう。
阪神青木駅から北へ数分歩いたところにある小寄公園。元は本山交通公園という交通安全啓発施設で、そう言えば御崎公園もかつて交通公園でした。現在も公園内に模擬道路が一部残っています。ここに神戸市電1155号が鎮座しています。
解説板。この車両は1150形と言い、神戸市電では唯一となった高性能車で1956(昭和31)年に製造されました。この時期、各都市ではこのような高性能車を競って導入しましたが、結局成功したのはわずかで、神戸市でも結局は持て余し、旧型車の機器を用いて吊り掛け駆動の直接制御車に戻してしまいました。なお、1150形は1151~1158まで8両が製造されましたが、この1155号を除く7両は広島電鉄に移り、現在でも1両が活躍を続けている模様です。

神戸市電特有の曲線を多用した優美なデザイン。特に1150形(1152号を除く)と1100形1104・1105号は正面窓の上辺にRが付いており、さらに美しいスタイルをしています。
路面電車に見られる救助網。前面に下がった排障器に人などがぶつかると、その奥にある網が線路に落ちてすくい、車輪に直接ひかれないようになっています。

この1155号、本山交通公園時代は少し色合いが本来の市電とは違った感じだったのですが、のち熱心な市電ファンだった某氏(故人)の運動もあり美しく整備されました。数年前には台風で大きな被害を受け、長らくブルーシートを被っていたためスクラップになるのでは?とファンをやきもきさせましたが、再び復元工事を受け美しい姿を取り戻しています。


実はこの場所、神戸市内ではありますが市電の沿線外(阪神国道線沿線)であり、神戸市電とは縁もゆかりもない所なんですね~。クリックにもご協力を!
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【中津】保存された鉄橋を訪ねる(番外)

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前回まで明石市内に保存される鉄道草創期の鉄橋、播磨中央公園(加東市)にある同時期の鉄橋をご紹介しました。今回は番外編として大阪市にある日本最古の鉄道用鉄橋をご紹介します。
阪急電車中津駅から電車に沿って国道176号線を少し神戸寄りに歩くと、淀川を渡る十三大橋の手前に小さな歩行者用の橋が架かっています。「浜中津橋」と言い、現在は水が流れていない長柄運河をまたいでいます。
この橋は元々大阪~神戸間に鉄道(現在の東海道本線/JR神戸線)が建設される際、イギリスから輸入されたもので、1873(明治6)年製造。当時も淀川を渡る下十三橋に架かっていました。鉄道は1874(明治7)年に開業。この写真に写っている側(上流側)は複線化のため1896年に追加された日本製の主構であるとのこと。
こちらが下流側で、この主構はイギリス製とのことです。現時点で製造から148年を経ています。ちなみにこの橋も土木学会選奨土木遺産に指定されています。山陽電車東二見車両工場に保存されている鉄橋は、京都~大阪間の上神崎川に架かっていたもので1874(明治7)年製(開業は1877年)ですので、わずか1年ですがこちらのほうが古いのです。

日本で最初に鉄道が開通した新橋~横浜間(1872年)では橋梁は木製だったので、「鉄橋」は阪神間の鉄道で初めて登場したものなんですね。


阪神間に多数が製作された鉄橋のうち、現存するのはこれだけだそうです。
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【西明石】保存された鉄橋を訪ねる(その2)

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明石市内にはもう一つ、古い鉄道橋を保存している場所があります。JR西明石駅のすぐ近くにある上ヶ池公園。ここにかつて西明石駅をまたぎ、藤江・松江地区と小久保・鳥羽地区を結ぶ「小久保跨線橋」として使われていた鉄橋があります。
公園の中に鎮座しており橋としての役割はありませんが、散策コースと言うかジョギングコースの一部として活用されています。
文化庁より登録有形文化財に指定されています。
水色のトラス橋が青空と調和しています。

さて、この鉄橋。西明石に広大な機関区施設が出来た際、分断される南北の町を結ぶため、1927(昭和2)年に架けられたものですが、元々は1890(明治23)年、九州鉄道(国鉄を経て現在のJR九州)がドイツから輸入したもので、鹿児島本線などに使われていました。1994(平成6)年に西明石に新しい陸橋が出来るまで104年間、九州の近代化に貢献し、その後は明石の街を南北に結ぶ陸橋として長く使われてきました。

鉄橋の脇にはその歴史を解説する案内板とともに、鉄橋の構造も記されています。ここに保存されているのは鉄橋の靴にあたる「支承」と呼ばれる部品と、トラス上部を支えていたピンです。


JR西明石駅すぐですが、藤江駅からだと徒歩30分程度。今は無理ですが散策に良い時期になれば山陽電車で途中下車して歩くのも良いですね。

次回はおまけとして、もう少し古くて貴重な鉄橋をご紹介します。
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【東二見】保存された鉄橋を訪ねる(その1)

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東二見車両工場と言えば「山陽鉄道フェスティバル」でおなじみですね。正門を入ったところに保存車206号がありますが、これと一緒に鎮座しているのが・・・、 鉄橋の一部分。山陽電車は舞子公園~西舞子間でJRを越えていますが、かつてはその部分に使われていた鉄橋です。
現役時代。2000系特急が渡る懐かしい写真です。2008号がクロスシートですので1959(昭和34)年頃でしょうか。(写真:山陽電気鉄道)

この鉄橋、1917(大正6)年にこの場所に架けられたものですが、元々は1874(明治7)年、現在のJR東海道本線京都~大阪間建設時、イギリスから輸入され神崎川に架けられていた(上神崎川橋梁)もので、1987(昭和62)年に架け替えられるまで通算111年間、鉄道橋として使用されました。なぜ明治時代に架けられた官設鉄道の鉄橋が大正時代の山陽電車に使われていたかというと、鉄道草創期の鉄橋が車両の大型化や長編成化により設計重量が耐えられなくなったものの、軽い電車などが渡る鉄道や道路橋ならばまだまだ使えるということで、各地に払い下げられたためです。急速に産業が発達し、鉄道の輸送力が増大していった明治・大正期らしいお話です。

このように保存されている鉄道草創期の鉄橋は県内でもいくつかあります。


播磨中央公園で園内の歩道橋として活用されているこの鉄橋は、神戸電鉄粟生線加古川橋梁に架かっていたものですが、1889(明治22)年に水戸線で使用されていたとの記録があり、山陽電車同様、神戸電鉄が払い下げを受け1998(平成10)年まで使用されていたとのことです。こちらもイギリス製で現在東二見で保存されているものとそっくりですね。
鉄道橋ではなくなりましたが、現在も公道をまたぎ園内をつなぐ役割を果たしています。

各地に残る鉄道草創期の鉄橋。次回もご紹介します。
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【ロッキード式】姫路市営モノレールをよく見る

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姫路・手柄山に保存される姫路市営モノレールの遺構(手柄山交流ステーション・モノレール展示室)。昨年選奨土木遺産にも指定され、技術的にも価値あるものとして見直されています。
※時節柄、感染予防対策はもちろん熱中症にもご注意ください。

モノレールは1本の軌道にまたがって走る「跨座式(こざしき)」と呼ばれるものと、軌道からぶら下がって走る「懸垂式(けんすいしき)」というものがあります。姫路市営モノレールは「跨座式」です。
跨座式の代表格、東京モノレール。1964(昭和39)年開業。都心と羽田空港を結ぶ大動脈です。
こちらは懸垂式の千葉都市モノレール。落っこちることはありませんが、足元に何もないので、乗っているとなかなかのスリルが味わえます。

現在走っているモノレールの車輪はゴムタイヤです。方式がいくつかあるとは言え、鉄の線路を走る電車という感じの乗り心地ではありません。ところが、姫路市営モノレールは鉄のレールの上を鉄車輪の車両が走るもので、む~パパ、乗ったことはありませんが現在のモノレールより電車に近い乗り心地だったのではないかと思います。これはロッキード式と言うもので、日本では姫路と小田急向ヶ丘遊園の2例しか採用されませんでした。小田急も施設老朽化で廃線となっていますので、現在ロッキード式モノレールに乗ることはできなくなっています。
長い間眠っていたホームと車両が公開されるようになって10年。すっかり姫路市の観光名所として定着しました。
これが問題の軌道部分。鉄道と同じレールが真ん中に1本通っています。

下から見てみると、軌道最下部の両側に補助用レールがあり、中央部片側には集電用にもレールが使われているのが分かります。走行用より小さいレールですね。

現在見られるモノレールの場合、軌道の上面は平らで何もありません。集電用のレールは同じように軌道側面に取り付けられていますが、鉄道用のレールではないようです。(沖縄都市モノレール)
屋外に保存された姫路市営モノレールの台車部分。集電用レール側から。
これがロッキード式最大の特徴である鉄の車輪。駆動するのはレールに上から乗っているもので、これを左右から別の車輪が支えていました。鉄車輪ゆえ走行時の音は大きかったようで、高速走行が可能という触れ込みでしたが、そんなに飛ばすとかなりうるさかったに違いありません。
1つの台車には2つ駆動用の車輪があり、写真のモーターは軸がレールと平行に付いていてギアボックス部で直角に車軸へ動力を伝えていました。この構造は「直角カルダン式」の鉄道車両と同じと思われます。現在、通常の鉄道車両はモーターの軸と車軸が平行に取り付けられる「平行カルダン式」となっています。

このように、姫路市営モノレール保存車はロッキード式のモノレールを構造からもじっくり観察できますが、車体もよく見ると屋根などリベットを用いて組み立てられている部分があり、電車というよりは飛行機に近い工法が採られています。さすがロッキード。


特殊な方式のモノレール。現存するモノレールと少し比較してみました。クリックにもご協力を。
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【阪急百貨店うめだ本店】鉄道模型フェスティバル2021

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緊急事態宣言が発令されてしまいました・・・。県外のイベントではありますが、山陽電車の姿もありますのでご紹介します。
阪急百貨店うめだ本店、夏の恒例イベント「鉄道模型フェスティバル」。昨年はコロナ禍で中止となったため2年ぶりの開催となりますが、感染対策のため入場は日時指定の事前予約制となっています。大阪にお住まいで来場予定の方はご注意ください。
去年は阪急神戸線開通100周年でした。本来去年に開催されるはずのこのイベント、今年は101年目ではありますが、TOKYO  2020のようですね。

神戸線100周年に合わせ神戸三宮駅の歴史を紹介するパネルが。ちなみに阪急電車の神戸側ターミナルは最初上筒井で、三宮に乗り入れたのは1936(昭和11)年。当時の駅名は「神戸」でした。写真は1968(昭和43)年、神戸高速鉄道開通により三宮の地に山陽電車が乗り入れた当時の写真とポスター。
鉄道模型フェスティバルということもあり、模型メーカーの展示。各社の新製品や試作品が紹介されています。

マイクロエースのコーナーにはすでに発売されていますが、阪急電車とつながっているためか山陽電車の模型も展示されていました。
「マルーン同好会」による阪急電車のHOゲージ模型。今回は神戸線・今津線・伊丹線で活躍した車両を展示。いずれも阪急電車の模型製作では知られたモデラーによる力作。売られている製品ではない、手作りならではのこだわりを感じさせる作品は一見の価値があります。
もう一つは今回の目玉となるNゲージジオラマ。土木学会から選奨土木遺産に指定された神戸市内高架線の東端となる王子公園駅を精密に再現しています。山手幹線を越える美しいアーチ橋は神戸っ子にはよく知られた存在でしょう。みなさん、カメラもこの部分に集中しておられます。
それにしてもよく出来ています。王子公園への玄関口。以前は「西灘」駅と呼ばれていました。
こちらは神崎川橋梁。水の表現が秀逸です。最新の1000系が通過します。

こちらは去年50周年を迎えたJR「新快速」の歴代車両。む~パパとしては下から2段目の153系「ブルーライナー」以降ですね、記憶にあるのは。ライバルの展示までしてしまう懐の深さは、さすが阪急と言うところでしょうか。
模型ではありませんが、面白い企画展示。プラレールによる阪急神戸線の線路再現。手前は大阪梅田駅。カーブを曲がって中津駅が見えます。左側に見えるのはJR大阪駅。新大阪駅から来る単線の連絡線まで再現されています。
お約束の鉄道グッズコーナー。山陽電車のヘッドマークもありましたよ!

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