バンドー神戸青少年科学館で開催されてきた「鉄道模型とあそぼう」。2020年の開催を最後にコロナ禍で中止されていました。2023年の今年、ようやく再開。待ちかねたかのように多くのお客さまで賑わいました。
コロナ禍を脱してイベントも平常運転に戻りつつありますね!
バンドー神戸青少年科学館で開催されてきた「鉄道模型とあそぼう」。2020年の開催を最後にコロナ禍で中止されていました。2023年の今年、ようやく再開。待ちかねたかのように多くのお客さまで賑わいました。
コロナ禍を脱してイベントも平常運転に戻りつつありますね!
板宿駅北側に広がる商店街。昔から須磨地域の商業中心地として栄えてきました。
この商店街にある「板宿公認市場」を入ると、実は怪し~いお店があります。
「岸日の出堂」という昆布・佃煮・瓦せんべいを扱うこのお店。テレビにも登場したことがあるのでご存知の方も多いことと思いますが、とりあえず近づいてみると・・・。
店頭は特に何ということもない・・・、いや、ある!お店の左右の壁、ショーケースにあるのは、鉄道模型!それも大きい!NゲージでもHOゲージでもありません。これはOゲージ。縮尺45分の1の大型模型です。Nゲージが150分の1ですので3倍以上の大きさですね。
ケースの中には古い山陽電車の姿が見えます。これは1968(昭和43)年、西代~兵庫間の地上区間を最後に走った電車、200形の2両編成です。車体は紙で出来ています。台車のバネの部分が本物と同じように上下左右に動きます。大型模型ならではの構造です。その下にあるのは「こだま型」こと国鉄モハ20(のちの151系)。この模型は実は映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の「こだま号」走行シーンで実際に使用されたもの。リアルに見せるため実物のように汚れた姿になっていますが、当時の国鉄花形特急はこんなに汚れておらず、いつもピカピカだったとのこと。映画的にはピカピカだと玩具っぽいと感じられるためあえて汚したのでしょうか?
そのほかにも、お店のケースには作りかけの電車など、いろんなものが詰まっていて”大きな”子供の夢をかき立てます。
実は店主の岸様は東二見車両工場で毎年開催されている「山陽鉄道フェスティバル」の鉄道模型コーナーに模型を貸し出されています。その作品をここでご紹介しましょう。
山陽電車200形230-231。Oゲージの作品です。店頭に飾られていたものです。
山陽電車800(820)形820-821。HOゲージの作品です。戦後日本初のロマンスカーとして有名な存在。
山陽電車250形250-251。HOゲージの作品です。実物は廃車になったあと250は西代車庫で、251は飾磨車庫でいずれも倉庫として使われていました。251は先日まで残っていたので覚えておられる方も多いことでしょう。
山陽電車2700形2708-2709-2703。HOゲージの作品です。山陽電車で最後まで残った旧性能車の一つです。
山陽電車クモワ5-サホ80-クホ70。懐かしい電動貨車がホッパ車を牽く編成。実物は2編成ありました。
あ、そうそう。最後にむ~パパから。
模型は一つ一つが手作りです。相応の製作期間がかかりますので何でも「作って!」と気軽にお願いしないように。また相当高額(物によっては100万円以上することもあります。)だということも覚悟の上で。でも、自分で模型を作りたいという人の応援はしていただけますから、挑戦したい方は一度お店にどうぞ!
ホームページはこちら→ http://www.hinodemodel.com/index.htm
A:板宿駅
B:岸日の出堂
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ポートアイランドにある神戸市立青少年科学館で開催されている「鉄道模型と遊ぼう」。今年で第18回目を迎え、この季節のイベントとしてすっかり定着しました。今回もむ~パパ、む~さんとともに参戦!してきました。4階のメイン会場では鉄道模型の同好会による公開運転をしています。模型の線路を敷いたジオラマ(鉄道模型では「レイアウト」と言います。)に大人も子供もかぶりつき状態。その中でもむ~パパ、注目してしまったコーナーがあります。それは会場奥にあった「JORC」というクラブ。ここは大きな「Oゲージ」という鉄道模型を走らせているクラブです。「Oゲージ」ってどんな模型なのでしょう?
日本では鉄道模型と言えば「Nゲージ」のことを指す場合が多いです。縮尺150分の1(国際標準では160分の1。日本では新幹線だけ160分の1で作られています。)で線路幅が9㎜(「9=nine」の頭文字からNゲージって言うんですね。)の模型のことです。でもNゲージが普及する一昔前はHOゲージが盛んでした。これは実物を80分の1にしたもの(これも国際標準では87分の1です。新幹線も同様。)で線路幅は16.5㎜。大体Nゲージの倍の大きさです。この「HO」は「ハーフ」の「Oゲージ」という意味ですから、「Oゲージ」はHOゲージのさらに倍、縮尺45分の1の模型です。大っきいです。1両が40cm以上あります。青少年科学館のホールだから線路が敷けるのであって、余程の豪邸でもない限り部屋の中ではカーブが曲がれません。この大きな模型はHOゲージが普及する前、鉄道模型のスタンダードだったサイズで、日本の場合は住宅事情に合わせてどんどん模型が小さくなっていきました。元々小さいものを作るのって日本人の得意分野ですもんね。
さてさて、この「Oゲージ」の線路を走る阪神電車の姿を見かけました。これは阪神3501形。「神戸の電車ネクタイ」のお話で最後に写真をお見せした、あの車両です。この模型、実は50年以上前に作られた骨董品なんです。車体は紙で出来ています。模型を1から自分で作ってしまう人の間では「紙」で車体を作ってしまう技法はもう戦前から確立されたもので特に不思議でも何でもないのですが、普通の人は驚かれます。その具体的な技法はまたご紹介する機会もあるでしょうから省略しますが、50年以上前の作品が今も元気に活躍していることに驚きます。ただ、モーターなどの走行装置は交換されているそうで、半世紀前のものではないそうです。ちょっと残念・・・。
この模型に関して。機芸出版社発行の「鉄道模型趣味」という雑誌がありますが、その別冊として「電車工作集」という本が1963(昭和38)年に世に出ました。(写真は1983年に再販された最終版)。阪神電車の模型はこの「電車工作集」に掲載されたもので、元々は「鉄道模型趣味」に発表されたものなのです。なんと最初に載ったのは1960(昭和35)年7月号。つまり今から54年も前のこと。実際に作られたのはそれより前ということになります。この模型は冷房も付いておらずパンタグラフが前寄りに付いた登場時の姿を再現していますが、それは模型が作られたときに「まさにその姿だった」からにほかなりません。
1960年当時の製作記事。(電車工作集より)
電車は生まれてから廃車になるまで数十年間、同じ姿でいるとは限りません。むしろ時とともに冷房が付いたり、あちこち機械を交換したりと、姿形を少しずつ変えながら一生を過ごすのが普通です。この阪神3501形も先日の写真では冷房や行先方向幕が付いて、パンタグラフの位置も変わった最後の姿でした。そういう意味では、50年以上前の模型はそれだけ長い間存在すること以上に、模型とはいえ50年前の阪神電車の姿を目の当たりに出来る貴重な資料ということが出来るでしょう。もちろん、模型は現代でもあえて昔の姿で作るということが出来ますが、これは本当に50年前の阪神電車を見て作られたところに価値を感じます。いや~、素晴らしいことです。
特別に間近で撮らせてもらいました。当時の記事によると阪神電車から本物の塗料を分けてもらったとか。現在より上半分のクリーム色はピンクに近く、下半分のオレンジは赤に近い印象です。
さてさて、Oゲージはさすがに普通の方がお持ちになる模型ではないと思いますが、では「Nゲージで山陽電車の模型を走らせたい」と思われた方、残念ながら山陽電車の模型は普通には手に入りません。鉄道模型を取り扱う電器量販店なんかで売られているのは「新幹線」や「新快速」「阪急電車」で、最近は「阪神電車」や「神戸電鉄」まで現れ、相当マイナーな会社のマイナーな車両までどんどん模型化され販売されています。「山陽電車」はそこまでマイナーじゃない!と思いたいのですが、なぜか模型メーカーさんからは忘れられ続けていて、ファンとしては非常に悲しい~。せめて「直通特急」の5000系くらいはどこかのメーカーさん、作って売っちゃってくださいよ!む~パパ、1つくらいは買いますので。
あ、「鉄道模型と遊ぼう」は11日もやってます。お出かけは山陽電車でどうぞ!
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