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鉄道模型と遊ぼうin青少年科学館

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ポートアイランドにある神戸市立青少年科学館で開催されている「鉄道模型と遊ぼう」。今年で第18回目を迎え、この季節のイベントとしてすっかり定着しました。今回もむ~パパ、む~さんとともに参戦!してきました。4階のメイン会場では鉄道模型の同好会による公開運転をしています。模型の線路を敷いたジオラマ(鉄道模型では「レイアウト」と言います。)に大人も子供もかぶりつき状態。その中でもむ~パパ、注目してしまったコーナーがあります。それは会場奥にあった「JORC」というクラブ。ここは大きな「Oゲージ」という鉄道模型を走らせているクラブです。「Oゲージ」ってどんな模型なのでしょう?

日本では鉄道模型と言えば「Nゲージ」のことを指す場合が多いです。縮尺150分の1(国際標準では160分の1。日本では新幹線だけ160分の1で作られています。)で線路幅が9㎜(「9=nine」の頭文字からNゲージって言うんですね。)の模型のことです。でもNゲージが普及する一昔前はHOゲージが盛んでした。これは実物を80分の1にしたもの(これも国際標準では87分の1です。新幹線も同様。)で線路幅は16.5㎜。大体Nゲージの倍の大きさです。この「HO」は「ハーフ」の「Oゲージ」という意味ですから、「Oゲージ」はHOゲージのさらに倍、縮尺45分の1の模型です。大っきいです。1両が40cm以上あります。青少年科学館のホールだから線路が敷けるのであって、余程の豪邸でもない限り部屋の中ではカーブが曲がれません。この大きな模型はHOゲージが普及する前、鉄道模型のスタンダードだったサイズで、日本の場合は住宅事情に合わせてどんどん模型が小さくなっていきました。元々小さいものを作るのって日本人の得意分野ですもんね。

さてさて、この「Oゲージ」の線路を走る阪神電車の姿を見かけました。これは阪神3501形。「神戸の電車ネクタイ」のお話で最後に写真をお見せした、あの車両です。この模型、実は50年以上前に作られた骨董品なんです。車体は紙で出来ています。模型を1から自分で作ってしまう人の間では「紙」で車体を作ってしまう技法はもう戦前から確立されたもので特に不思議でも何でもないのですが、普通の人は驚かれます。その具体的な技法はまたご紹介する機会もあるでしょうから省略しますが、50年以上前の作品が今も元気に活躍していることに驚きます。ただ、モーターなどの走行装置は交換されているそうで、半世紀前のものではないそうです。ちょっと残念・・・。

この模型に関して。機芸出版社発行の「鉄道模型趣味」という雑誌がありますが、その別冊として「電車工作集」という本が1963(昭和38)年に世に出ました。(写真は1983年に再販された最終版)。阪神電車の模型はこの「電車工作集」に掲載されたもので、元々は「鉄道模型趣味」に発表されたものなのです。なんと最初に載ったのは1960(昭和35)年7月号。つまり今から54年も前のこと。実際に作られたのはそれより前ということになります。この模型は冷房も付いておらずパンタグラフが前寄りに付いた登場時の姿を再現していますが、それは模型が作られたときに「まさにその姿だった」からにほかなりません。

1960年当時の製作記事。(電車工作集より)

電車は生まれてから廃車になるまで数十年間、同じ姿でいるとは限りません。むしろ時とともに冷房が付いたり、あちこち機械を交換したりと、姿形を少しずつ変えながら一生を過ごすのが普通です。この阪神3501形も先日の写真では冷房や行先方向幕が付いて、パンタグラフの位置も変わった最後の姿でした。そういう意味では、50年以上前の模型はそれだけ長い間存在すること以上に、模型とはいえ50年前の阪神電車の姿を目の当たりに出来る貴重な資料ということが出来るでしょう。もちろん、模型は現代でもあえて昔の姿で作るということが出来ますが、これは本当に50年前の阪神電車を見て作られたところに価値を感じます。いや~、素晴らしいことです。

特別に間近で撮らせてもらいました。当時の記事によると阪神電車から本物の塗料を分けてもらったとか。現在より上半分のクリーム色はピンクに近く、下半分のオレンジは赤に近い印象です。

さてさて、Oゲージはさすがに普通の方がお持ちになる模型ではないと思いますが、では「Nゲージで山陽電車の模型を走らせたい」と思われた方、残念ながら山陽電車の模型は普通には手に入りません。鉄道模型を取り扱う電器量販店なんかで売られているのは「新幹線」や「新快速」「阪急電車」で、最近は「阪神電車」や「神戸電鉄」まで現れ、相当マイナーな会社のマイナーな車両までどんどん模型化され販売されています。「山陽電車」はそこまでマイナーじゃない!と思いたいのですが、なぜか模型メーカーさんからは忘れられ続けていて、ファンとしては非常に悲しい~。せめて「直通特急」の5000系くらいはどこかのメーカーさん、作って売っちゃってくださいよ!む~パパ、1つくらいは買いますので。


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あ、「鉄道模型と遊ぼう」は11日もやってます。お出かけは山陽電車でどうぞ!
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鉄道模型と遊ぼうin青少年科学館” への4件のコメント

  1. 山陽電車もむかーしむかしの700形がトミーテックから鉄道コレクションシリーズで発売されてますね。3000系列や5000系列も一応マイナーな会社から発売されてることはされているのですが、高いですね…

  2. >阪神沿線民さま
    はじめまして!702-709ですね。外箱も山陽電車でしたのでうれしかったのですが。阿波座さんから3000系アルミや5000系が出てはいますが、高価ですし自分で作らないといけないのであまり一般的ではないですよね。

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