楽しいむ〜さん一家

【小寄公園】石原産業の蒸気機関車S108号

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先日ご紹介した小寄公園の神戸市電1155号。この公園には市電のほかにも蒸気機関車が1両保存されています。
公園では市電と向かい合いながらも少し離れた場所に展示される「S108」のプレートを付けた小さな蒸気機関車。石炭も水も機関車本体に積み込む「タンク機関車」です。軸配置は動輪3つのC型。「機関車トーマス」的なスケール感ではないでしょうか。


初めてむ~パパがここに来たのは1981年ですのでもう40年も前。再訪した現在、周囲には高いマンションが建ち風景は一変しましたが、機関車は変わらずここに置かれています。
この機関車は「S108」とあるように国鉄の機関車ではなく、元々は中国南部の海南島で使われる予定だったとのこと。これも先日ご紹介した夢前川そばの蒸気機関車と同じ日本車両(愛知県)で製造されたものです。しかし、戦局の悪化で外地へ送ることが出来なくなり内地で働くことに。結局一番長く働いたのは、大手化学メーカー石原産業(大阪市)の四日市にある主力工場に付属した専用線でした。

石原産業の専用線は四日市から塩浜まで延びていた国鉄(現JR)の貨物線からさらに先にあった工場専用線3本のうちの一つです(2008年廃止)。S108号は3㎞あまりの専用線で1967(昭和42)年まで過ごし、ここにやって来ました。小寄公園の前身本山交通公園は元々自動車教習所として1951(昭和26)年に開園しました。1971(昭和46)年に交通公園になり、その時、同年廃止の市電1155号が運び込まれたのは時期的に間違いないと思いますが、このS108号はそれより4年前の1967(昭和42)年からこの地に来ていたのでしょうか???

平和な余生を過ごすはずだった神戸。しかし1995(平成7)年1月17日、阪神大震災に襲われます。市電のほうは軽かったためか無事でしたが、S108号は横倒しとなり、周囲が落ち着くまでそのままの状態でした。しかし幸運にも解体は免れ、元通り起こされて今も大切に保存されています。

ただ、不思議なのは、どういった経緯でこの機関車が遠く四日市から神戸まで保存のために運ばれてきたのでしょうか。元の所有者である石原産業も大阪の会社で、む~パパの知る限り神戸に縁があるとも思えません。経緯をご存じの方がおられましたらご教示ください。

地味ながらその生い立ちにドラマのある専用線の機関車。クリックにもご協力ください。
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【姫路】御立公園の美しい保存蒸気機関車【C57】

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姫路市内、書写山にほど近い御立公園に保存されているC57形蒸気機関車を見に行ってきました。
以前は「御立交通公園」と言い、交通安全教育のための小さな街路が設けられ、その後は有料遊具がありましたが、それらの施設は撤去され、都市公園として生まれ変わっています。公園内部の周回路は線路をデザインした石材が埋め込まれ、保存機関車を意識した雰囲気となっています。

御立公園のシンボル、C57。1937(昭和12)年、神戸の川崎車輌(現:川崎重工)で製造されたC57の最初期グループである5号機です。ファンには「貴婦人」と呼ばれた旅客用の機関車で、最近まで山口線で営業運転していた1号機と同型です。

この5号機、金沢にいたこともあったようですが基本的に関西から離れたことはなく、山陽本線や播但線でも活躍しており、姫路に縁の深い機関車です。
解説板。現在は公園のリニューアルに伴い屋根が付けられていますが、保存当時屋根は無く、一時荒廃しかかった時期もあったとのことです。有志の保存会が熱心に手入れした結果、屋外保存では全国で最も状態の良い保存車とまで評価されるようになりました。公園で朽ちて行く保存車の多いことを考えると、美しい状態を保持するのがいかに難しいかを物語っています。
大きな動輪は旅客用機関車の証。先輪が2、動輪が3(なので「C」です。)、従輪が1の2-3-1の軸配置は「パシフィック」と呼ばれ、オネゲル作曲の管弦楽曲に、そのものズバリの「パシフィック231」という曲があります。保存機にはロッドや車輪などに白だけでなく赤や緑の色を入れたりして不自然なものが見受けられます(実物にも入っているものはありました。)が、この5号機は非常に質素な出で立ちで好感が持てます。
機関車の前は石材やレンガでターンテーブルをイメージした広場となっています。

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【姫路】夢前川のそばに出現した台湾の蒸気機関車

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網干線の西飾磨~夢前川間、国道250号沿い「マキウラ鋼業」さんの前に、突然蒸気機関車が現れちょっとした話題になっています。
この「535」のプレートを付けた小さな機関車。数奇な運命でここにやって来ました。元々は日本統治下にあった台湾で、サトウキビや精糖工場の製品輸送のために敷かれた鉄道で使われていたもので、1936(昭和11)年日本車両製です。戦後も「台湾糖業公司」の元、同じ目的で使われていました。日本で言う軽便鉄道、軌間は762㎜ですから山陽電車の約半分です。
「日本車両」のマーク。同社は豊川工場(愛知県)で現在も新幹線車両などを製造する鉄道車両メーカーとして健在です。

後ろに写るトラックなどからその大きさが分かります。

この機関車。台湾で役目を終えた後、日本の貿易商が買い取り里帰り。明石市内で公開されたあと、高砂市内のレストランで展示されていました。しかしレストランは閉店。しばらく放置されていたようですが、その後行方不明に。実はスクラップにするため、ここ姫路にあるマキウラ鋼業さんに処分依頼があったとか。マキウラ鋼業さんはスクラップにはせず保存する道を選び、綺麗に整備されて会社の前で展示されています。幸運な機関車ですね。

さて、この機関車の隣に展示されている大八車。上に載った箱に「消防」の文字。これは明治・大正期の消防ポンプだと思われます。ただ、肝心のポンプ部分が失われている様子。む~パパ、たまたま最近別の場所で同じ消防大八車を見た覚えがありました。

奈良県・龍田大社の境内にあった消防大八車。姫路に保存されているものも、本来このように消防ポンプが載っていたものと思われます。写真のものは完全体でしょうが、ちょっと実用には耐えられないものと・・・。


どちらもなかなか貴重なものです。クリックにもご協力ください。
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【鬼滅の刃】「無限列車」神戸駅に出現!

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少々遅すぎた感のある情報ですが・・・。

高速神戸駅と西元町駅の間、JR神戸線の高架沿いに「無限列車」が登場!話題となっています。

実はこれ、元々展示してある「D51(デゴイチ)」形蒸気機関車に「神戸・西元町のデゴイチを守る会」が「無限」プレートを取り付けたもの。同会はこの場所で荒廃していたD51を美しく磨き上げ、元町商店街西部の地域振興にも役立てようと頑張っておられるボランティア団体です。ほんと、ここまで美しくなって感動的でさえあります。

さて「無限」プレートですが、節分に因んで1月31日から1週間限定で付けられたとか。なかなか粋なアイデアですね。本当なら節分を終え2月7日までの予定でしたが、非常に好評とのことで、もう1週間、2月14日まで延長されたそうです!


実際に「無限」プレートが付けられているのは正面のみ。側面には「D51 1072」のプレートが光ります。何気なく街中の一角に設置されているようですが、ここは高架化前の線路が敷かれていた旧線跡だとか。

因みに、野暮な鉄道マニア的にお話をしますと、「鬼滅の刃」に出て来る「無限列車」。時代設定が大正時代ですので、この「D51」ではありません。(「D51」は昭和になって登場したものです。)映画版では大正時代の機関車「8620」形が登場しているようで、実際に九州で保存され走っている8620形にも「無限」プレートが取り付けられていますが、コロナ禍の現在、九州まで見に行くわけにもいかないでしょうから、神戸で気分だけでも味わえる本物の機関車と記念撮影はいかがでしょうか。

あ、そうそう。「無限列車」の本当のモデルである8620形は結構各地に保存されていますが、走っている九州まで行かなくても、現存する一番古いものが比較的近くにあります。
それが京都鉄道博物館に保存されている8630号。現在も走ることが出来る状態です。すでに多くの鬼滅ファンが訪れているそうです。

好評により1週間延長されました!
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