2月10日、神戸電鉄鈴蘭台工場で、目下絶賛クラウドファンディング中のデ101がバレンタインデー装飾となって一般公開されました。バレンタインデーにちなんだ装飾は昨年も実施されましたが、工場内での公開は初めてとなります。
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【神戸電鉄】バレンタイデー装飾のデ101
【神戸電鉄】クラウドファンディングでよみがえった「デ101」
神戸電鉄のデ101形は、同社の前身である神戸有馬電気鉄道が開業翌年の1929(昭和4)年に製造した車両で、開業時に用意されたデ1形の増備車です。トップナンバーであるデ101号は1971(昭和46)年に引退後も鈴蘭台工場に残され入換用車として余生を送っていましたが、2016(平成28)年に使用終了となりスクラップになる運命が待ち構えていました。
痛みが目立つ車体。誰もがこのまま解体されるものと思っていました。
が、ここに立ち上がったファンの団体がありました。有志で集まった「デ101まもり隊」により神戸電鉄の協力を得てクラウドファンディングを実施、集まった資金で保存に向けた修理工事が始まったのです。そして今年、2022(平成4)年4月23日、予定された工事が完了し一般公開(ただし申込み多数のため抽選)されました。
この角度から見ると、埋められた窓がよく分かり、現役時代の姿が想像できます。(2022.4.23 鈴蘭台車両工場)
「デ101まもり隊」の次の目標は、入換車ではなく本線で走っていた現役時代の姿に戻すことでしょう。神戸電鉄創業期の貴重な姿を残す車両を後世に残すのは技術遺産としても意義のあることと思われます。
【姫路】御立公園の美しい保存蒸気機関車【C57】
姫路市内、書写山にほど近い御立公園に保存されているC57形蒸気機関車を見に行ってきました。
以前は「御立交通公園」と言い、交通安全教育のための小さな街路が設けられ、その後は有料遊具がありましたが、それらの施設は撤去され、都市公園として生まれ変わっています。公園内部の周回路は線路をデザインした石材が埋め込まれ、保存機関車を意識した雰囲気となっています。
御立公園のシンボル、C57。1937(昭和12)年、神戸の川崎車輌(現:川崎重工)で製造されたC57の最初期グループである5号機です。ファンには「貴婦人」と呼ばれた旅客用の機関車で、最近まで山口線で営業運転していた1号機と同型です。
この5号機、金沢にいたこともあったようですが基本的に関西から離れたことはなく、山陽本線や播但線でも活躍しており、姫路に縁の深い機関車です。
解説板。現在は公園のリニューアルに伴い屋根が付けられていますが、保存当時屋根は無く、一時荒廃しかかった時期もあったとのことです。有志の保存会が熱心に手入れした結果、屋外保存では全国で最も状態の良い保存車とまで評価されるようになりました。公園で朽ちて行く保存車の多いことを考えると、美しい状態を保持するのがいかに難しいかを物語っています。
大きな動輪は旅客用機関車の証。先輪が2、動輪が3(なので「C」です。)、従輪が1の2-3-1の軸配置は「パシフィック」と呼ばれ、オネゲル作曲の管弦楽曲に、そのものズバリの「パシフィック231」という曲があります。保存機にはロッドや車輪などに白だけでなく赤や緑の色を入れたりして不自然なものが見受けられます(実物にも入っているものはありました。)が、この5号機は非常に質素な出で立ちで好感が持てます。
機関車の前は石材やレンガでターンテーブルをイメージした広場となっています。
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