楽しいむ〜さん一家

【まもなく見納め】旧標準色の事始め【820形】

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今月で見納めとなる旧標準色の3030号。ファンのみなさまも徐々に盛り上がってきていることと思いますが、緊急事態宣言中のため昔の写真を引っ張り出してきました。

さて、この旧標準色はいつ始まったのでしょうか。一部のファンからは「阪神ジェットカーに似ている」との指摘もありますが、あのツートンカラーは1958(昭和33)年に登場したものです。山陽電車に登場したのは1948(昭和23)年ですから、10年も前ということになります。
当時のカラー写真が残されていないので模型で再現。1948(昭和23)年、日本は戦後の混乱期を脱出しつつありましたが、まだ電車は「乗れれば良い」時代にデビューしたのが820形(形式呼称は800形)。我が国では戦後初のロマンスカーで、しかも特別料金不要の車両としては破格の設備を誇りました。この車両で初採用されたのがネイビーブルーとイエロークリームのツートンカラーです。山陽電車にとっては戦後復興を象徴し新しい時代へ発展するテーマカラーとなりました。田舎電車から都市間高速鉄道へ脱皮したことを示すカラーリングだったのです。(模型提供:NEXT)

ここからは以前山陽電鉄にお勤めの方からご提供いただいた写真をご紹介します。商用利用はご遠慮ください。(ご利用の際は山陽電車までお問い合わせください。)
820形か、その改良型850形と思われる車内。扉間には転換クロスシートが並び、いかにも特急電車らしい風格です。これが戦争が終わって3年後に登場した車両。日本が急速に復興していったことを示しています。

姫路駅に停車する820形826-827。この編成は西代車庫の火災に遭い焼失、850形と同一の車体を新造したもので、前面のアンチクライマーが無く、屋根の通風器も850形と同じものでした。写真で台車が820形のものではなく、700形のDT-13Sを履いていることが分かりますが、これは西代で同時に焼失した712-713のものです。背景の山陽百貨店もまだかなり低く、撮影は1960年よりは前ではないかと思われます。
820形824-825。尾上の松~高砂間と思われます。正面窓のうち2枚は登場時横桟が入っていましたが、のちに1段となっています。同じ川崎車輌製の小田急や京阪のロマンスカーと共通する整ったデザインでファンからも人気がありました。写真は普通列車に運用中のもの。2000系登場後は主役を譲りロングシートに改造されました。

820形はのち850形と共に正面に貫通扉が取り付けられました。末期は270形と3両編成を組んで活躍。神戸高速鉄道にも乗り入れていました。写真で見るとパンタグラフが変わっていることが分かります。

820-821は廃車後もしばらく東二見車庫で保管されていましたが老朽化のため解体され、今は見ることが出来ません。(1982年7月)

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