楽しいむ〜さん一家

【ロッキード式】姫路市営モノレールをよく見る

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姫路・手柄山に保存される姫路市営モノレールの遺構(手柄山交流ステーション・モノレール展示室)。昨年選奨土木遺産にも指定され、技術的にも価値あるものとして見直されています。
※時節柄、感染予防対策はもちろん熱中症にもご注意ください。

モノレールは1本の軌道にまたがって走る「跨座式(こざしき)」と呼ばれるものと、軌道からぶら下がって走る「懸垂式(けんすいしき)」というものがあります。姫路市営モノレールは「跨座式」です。
跨座式の代表格、東京モノレール。1964(昭和39)年開業。都心と羽田空港を結ぶ大動脈です。
こちらは懸垂式の千葉都市モノレール。落っこちることはありませんが、足元に何もないので、乗っているとなかなかのスリルが味わえます。

現在走っているモノレールの車輪はゴムタイヤです。方式がいくつかあるとは言え、鉄の線路を走る電車という感じの乗り心地ではありません。ところが、姫路市営モノレールは鉄のレールの上を鉄車輪の車両が走るもので、む~パパ、乗ったことはありませんが現在のモノレールより電車に近い乗り心地だったのではないかと思います。これはロッキード式と言うもので、日本では姫路と小田急向ヶ丘遊園の2例しか採用されませんでした。小田急も施設老朽化で廃線となっていますので、現在ロッキード式モノレールに乗ることはできなくなっています。
長い間眠っていたホームと車両が公開されるようになって10年。すっかり姫路市の観光名所として定着しました。
これが問題の軌道部分。鉄道と同じレールが真ん中に1本通っています。

下から見てみると、軌道最下部の両側に補助用レールがあり、中央部片側には集電用にもレールが使われているのが分かります。走行用より小さいレールですね。

現在見られるモノレールの場合、軌道の上面は平らで何もありません。集電用のレールは同じように軌道側面に取り付けられていますが、鉄道用のレールではないようです。(沖縄都市モノレール)
屋外に保存された姫路市営モノレールの台車部分。集電用レール側から。
これがロッキード式最大の特徴である鉄の車輪。駆動するのはレールに上から乗っているもので、これを左右から別の車輪が支えていました。鉄車輪ゆえ走行時の音は大きかったようで、高速走行が可能という触れ込みでしたが、そんなに飛ばすとかなりうるさかったに違いありません。
1つの台車には2つ駆動用の車輪があり、写真のモーターは軸がレールと平行に付いていてギアボックス部で直角に車軸へ動力を伝えていました。この構造は「直角カルダン式」の鉄道車両と同じと思われます。現在、通常の鉄道車両はモーターの軸と車軸が平行に取り付けられる「平行カルダン式」となっています。

このように、姫路市営モノレール保存車はロッキード式のモノレールを構造からもじっくり観察できますが、車体もよく見ると屋根などリベットを用いて組み立てられている部分があり、電車というよりは飛行機に近い工法が採られています。さすがロッキード。


特殊な方式のモノレール。現存するモノレールと少し比較してみました。クリックにもご協力を。
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