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筑紫路を駆ける西鉄電車に山陽電車と同じDNAを見た(5000形編)

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九州は福岡県を走る大手私鉄「西日本鉄道(西鉄)」。かつてはプロ野球「ライオンズ」を持っていたことで有名ですが、新型車「9000形」が登場するというプレス発表がありました。
http://www.nishitetsu.co.jp/release/2015/15_142.pdf(西鉄HP)
同じ神戸の川崎重工製ということもあり、何となく山陽電車の新車6000系と似たようなイメージです。特に車内の感じはソックリ。↓参考までに山陽6000系のプレス発表記事を。
http://www.sanyo-railway.co.jp/media/1432015565.pdf

この9000形によって置き換えられるのが同社天神大牟田線の主力車両5000形。全車川崎重工製の電車なのですが、山陽3000系と同じような時期に作られたこともあって、いろんな部分が山陽電車と共通のテイストでまとめられており、線路幅も標準軌で同じ構造の台車を使っているためか、乗り心地や高速走行時の振動までが山陽電車と同じ。乗っていると「山陽電車に乗っているような」気分が味わえます。逆に西鉄ファンから見ると山陽電車は「西鉄電車のような乗り心地」だと思っているはず・・・。奇しくも山陽3000系と同じ130両あまりが製造され、今日も筑紫路を快走しています。そして引退が始まるのも、これまた同じ・・・。一つの時代が終わろうとしているのかも知れません。

では、ちょっと西鉄5000形をご紹介。山陽3000系と同じDNAを感じてみてください。

外観です。1両の長さは19mで山陽電車と同じ。車体幅はだいぶ狭いです。面白いのは正面窓。運転台側だけ曲面ガラスを使った非対称な顔立ちが特徴です。運転台ガラスは上下に大きいですが山陽3000系と同じ高運転台構造ですので、視界は同じようなものだと思われます。

↑西鉄5000形↓山陽3000系(リフレッシュ車)

車内。一般的に関西私鉄の車両はシートの端の手すりが上まで伸びておらず、蛍光灯にカバーが付くといった仕様です。手すりが上まであるとか蛍光灯にカバーが無いとか、ドアの裏側がステンレス地で銀色だとかいうのは関東私鉄の仕様であり、実は山陽3000系は関東仕様で作られているのですが、この西鉄5000形も関東タイプの車内です。こう見ると山陽電車かと思うくらいで、シートまで同じような色です。(以前は違っていたようです。山陽電車も以前は緑でしたし。)

↑西鉄5000形↓山陽3000系(アルミカー)

乗務員室部分。山陽電車と同じく運転台の後部が出っ張っていますが、後ろに窓がありません。また、山陽電車は車掌側に座席がありますが西鉄にはありません。
↑西鉄5000形↓山陽3000系(冷房改造車)

クーラー。これまた山陽電車と同じものですが、新造時から冷房が付いていたのに3050形のような天井全体を通る風道はありません。3000系の冷房改造車とよく似ています。乗務員室へ冷気を送るための風道は全く同じ構造です。よくここまで似ているものです。

西鉄5000形の川崎重工銘板。その右には車内から操作する非常ブレーキがぶら下がっているのが目を引きます。

西鉄5000形の先頭部。山陽3000系とは左右反対ですが、乗務員室直後に戸袋窓が同じようについています。山陽5000系と同じスタイルですね。台車は空気ばね台車で、これも山陽電車で言えば3056以降のものと同じ。途中で円筒案内式の台車に変わりますが、同じ時期、山陽電車の3066以降も円筒案内式の台車に変わります。西鉄はその後円筒ゴム軸箱支持方式になりますが山陽電車では軸ハリ式になり、ようやく台車の形態が分かれました。

このように山陽3000系と西鉄5000形は姉妹車と言っても良い関係なのですが、西鉄の場合山陽のように車体がアルミ製になることはなく、2006年にステンレス製の電車が登場するまでは鋼製車体を採用し続けました。

さてさて、山陽と西鉄の姉妹関係はこれだけではありません。5000形登場前の主力車両にも同じDNAが。わずかに残る貝塚線にその姿を追います。(続く)

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筑紫路を駆ける西鉄電車に山陽電車と同じDNAを見た(5000形編)” への4件のコメント

  1. 5000形は40年ぐらい走っているようなので、山陽3000系と共に車両技術のすごさを感じさせてくれる車両だと思います。
    近年はステンレス通勤車も増えてきているので、とても貴重な存在に感じます。

    • iyottonenさま 西鉄5000形は特急車2000形の姉妹車として700形をベースに作られたものです。山陽3000系もそうですが昭和50年代にもなると技術的には平凡な抵抗制御車であり、双方とも最新技術を使わず手堅くまとまっていますね。また通勤車ではあるものの高速運転する特急にも使うこと、高運転台や広い乗務員室を採用しているところなどは西鉄が山陽を参考にした部分があるようで、こうした同じコンセプトが似通った車両作りにつながっているものと思われます。

  2. 似てるな…。とは前々から思ってましたが、ここまで似てたとわ!
    衝撃ですね!!

    先日、6000系をみに、川崎重工のほうに、足を運んだら、6000系に出会うよりも前に出来たての西鉄3000系 を発見したことも個人的には記憶に新しいです!
    3000系をまだ作ってるのに、9000系がでるなんて、これまた驚きでした!
    何編成かは既にいますが、3000系・9000系そして、山陽電車の6000系がすごく楽しみです!♪

    • 官兵衛号lovdさま そうなんです。外観からだとあまり感じませんが、乗ってみると「!」なんですよね。これより新しい7000形なんて座席の柄まで山陽5000系にソックリでもっとビックリしますよ。西鉄3000形はそろそろ打ち止めのようですが、こちらはステンレス製で神鉄6000系と同じような車体なので、これはこれで親しみが湧きます。転換クロスシートがうらやましいです。9000形のイラストって山陽6000と同じ人が描いたのでしょうか?西鉄に「9000」ちょうどは登場しないと思いますが・・・。

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