前回のブログでご紹介した「海外移住と文化の交流センター」の建物から、メリケンパークへと続く道「鯉川筋」
当時移民の道と呼ばれたこの道沿い、特に「国立海外移民収容所」周辺には、ブラジルへ旅立つ人々が日本最後の買い物をするための様々な店が立ち並んでいたそうです
渡航後の生活で使用する日用品、珈琲農園で働くための労働服などが売られていたそうですが、現在は既にそうした店はありません
阪神淡路大震災の前であれば、店構えぐらいは残っているところもあったかもしれないと思うと、「知るのが遅すぎた」と思わずにいられません
それから1つ驚いたこと
石川達三の小説「蒼氓」を読むと、当時の「国立海外移民収容所」からは、国鉄三ノ宮駅を経由して、神戸港まで1本の道でつながっている・・・と書かれていて
鯉川筋沿いに三ノ宮駅・・・?と思って調べてみると
当時、元町駅は存在せず、今の元町駅とほぼ同じ場所に三ノ宮駅があったのですね
1931年、高架駅化に伴って現在の三ノ宮駅の場所に移転し、その3年後に元町駅が設置されたそうです
それまでは、そごうも元町にあったとのこと
初めて知りました
さて
当時の面影を探すのは難しいものの、現在の鯉川筋沿いにも、「移民の道」に因むものがいくつかあります
まずは、春になると黄色い花を咲かせる「イペ」の木
ブラジルを代表する花として、2008年にブラジル移住100周年を記念して道沿いに植樹されました
元町駅東口を出て大丸方向へ向かう横断歩道の横に「イペMAP」が設置されています
この地図を見ると、鯉川筋沿いに満遍なく植えられていることがわかります
そして、このMAPの近くにあるモニュメント
「FROM KOBE TO THE WORLD」
と彫られており、移住者のための石碑だそうです
次に ここから視線を東に向けると、いつもなら特に意識もせず通り過ぎる元町駅交番
ブラジルの荘園の建物をイメージし、コロニアル風の設計なのだそうです
写真は見づらくて申し訳ないのですが、屋根の上の尖塔にはステンドグラスが入っていて、教会を模しているとも言われています
そして
移住する人々が最後に目にした日本の風景である神戸港
現在のメリケンパークを南端へと歩いたところに、彼らの記念碑があります
この家族の視線の先は、ブラジルのある方向だそうです
現代の我々が、震災後に整備された護岸から眺める景色は
彼らが目にした景色とはかけ離れているのでしょうが・・・
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メリケンパーク
神戸市中央区波止場町2