楽しいむ〜さん一家

【資料】山陽5000系を模型目線で見る!④

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連載4回目。4号車5600号をご紹介します。

姫路寄り先頭車5600形のトップナンバー5600号を山側から。モーターが無い以外は1号車5000号とよく似た機器配置で登場時はMG(電動発電機・予備のもの)、CP(コンプレッサー・電動空気圧縮機)を搭載していました。2000年の直通特急増発に伴い5000系と5030系の混結6連が登場した際、入場時等に予備編成として使用するため、MGを撤去しSIVを搭載する工事を受けています。写真は原型に近いスカートの頃。(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)

同じく5600号を浜側から。比較的原型を保っている山側とは異なり、浜側はSIVが付いたり阪神線内用列車選別装置が付いたりしたため、登場時とは印象が異なります。ちなみに5030系と組成している5602~5605が同じ機器配置となります。(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
では、模型ファン必須の真横からの床下写真。こちらは山側。空気系機器が主に取り付けられています。CP(コンプレッサー)が右端にあります。細部は異なりますが、1号車5000号とほぼ同じ機器配置なのが分かります。(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
こちらが浜側。中央部の大きな機器は補助電源装置SIV(静止型インバータ)で、登場時は無かったものです。5000系は4両編成が2本あり、もう1本が5002号ですが、こちらは5012~5022編成用の予備車でSIVが必要ないため、4連使用時に必要な予備のMGが残されています。このため4号車5601号は登場時に最も近い床下機器配置を唯一残す貴重な車両です。(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
参考として全て5000系で組成された、6両編成5016編成の5608号浜側床下をご覧ください。MGが撤去されたため、上写真の5600号と同形式ながら中央部に機器の無いすっきりした床下となっています。5606~5611が同様の機器配置です。(2014.2.21 東二見車両工場 撮影:山陽電気鉄道)
今回は特徴ある1次型登場時スカートに迫ってみましょう。開口部の少ない独特の形です。登場時は点検用のような開口部があったように思いますが、この写真ではなくなっているようです。旧型車から流用した仮台車に注目される方もおられることでしょう。(2013.1.19 東二見車両工場 撮影:山陽電気鉄道)
同じくスカート部分を真横から。車体との関係がよく分かります。(2013.1.19 東二見車両工場 撮影:山陽電気鉄道)
スカートを裏側から。支持物がよく分かりますね。実際模型でここまで再現される方がおられるかどうかは「?」ですが・・・。(2013.1.19 東二見車両工場 撮影:山陽電気鉄道)

次回以降は製造年次による違いに迫ります。乞うご期待!

【資料】山陽5000系を模型目線で見る!③

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何となくマンネリ化している感もありますが、3号車5500号をご紹介します。

5500号は5500形のトップナンバーで、当初3両編成だった5000系に後から加えられた車両。基本編成の2年後となる1988(昭和63)年に登場しました。当初普通車専用だった5000系が4両編成となり特急に使用されるようになったという意味では、山陽電車の歴史に残る車両だったと思われますが、元々3両編成を2つつないで特急に使うという現在の6000系のような使い方が計画されていた5000系にとって、方向性が怪しくなった出来事だったとも言えます。写真は山側から。(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
こちらは浜側。5000号の編成はなぜか窓の縦桟が黒く塗装されているのと、方向幕がLED化されたため原型とは外観が異なっています。ちなみに5000系基本編成は1次型(5000~5012編成)のみ妻面の雨どいがステンレス製で車体に外付けとなっていますが、5500形では5500・5501の2両だけが1次型スタイルを踏襲しており、5502以降は2次車5014以降と同じ車体一体型のアルミ製となっています。このあたりは今後ご紹介していきましょう。(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)

模型ファンお待たせ床下機器側面写真を。探したのですが浜側の写真しかありませんでした。基本的に配電盤やブレーキ関係の機器だけなので、付随車らしいすっきりした床下です。「5500」車番の右下あたりに付いているのが偏差アダプタ(連結器の異なる阪神車と山陽車を連結するための中間体)収容箱で、直通特急対応として後年設置されたものです。登場時の5000系を再現しようという模型ファンは付けないでください!(笑)(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)

山側の機器類はこの配置となっています。(2013.1.19 東二見車両工場 撮影:山陽電気鉄道)
上写真の続きです。(2013.1.19 東二見車両工場 撮影:山陽電気鉄道)

今回は特別サービス!5500号を下から見てみましょう。(2013.1.19 東二見車両工場 撮影:山陽電気鉄道)

ブレーキ制御装置の裏側に空気ダメが横向きに吊ってあります。表から見えにくい部分だけに要チェック。(2013.1.19 東二見車両工場 撮影:山陽電気鉄道)
アダプタ収容箱。床下から足を組んでぶら下げてあります。直特仕様で製作する模型ファンのみなさま、ぜひ再現を!(2013.1.19 東二見車両工場 撮影:山陽電気鉄道)

まだまだ続きますよ~。

【資料】山陽5000系を模型目線で見る!②

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その①に引き続き、今回は2号車5001号を模型目線で見てみましょう。

2号車5001号。こちらは山側。1986(昭和61)年に登場した1次車です。写真は登場時のPK-55菱形パンタグラフを搭載した姿。現在は下枠交差型のPK-80に交換されています。
(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
それでは模型ファン向きに。5001号を山側から。ブレーキ制御装置やバッテリーはこちら。右寄りに並んでいるのは抵抗器です。(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
同車を浜側から。励磁装置、制御器、遮断機等が並んでいます。模型的には箱型の機器が多く作りやすい部分ではありますね。(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
抵抗器部分。ガイシはグリスを塗ってあるため緑色に見えますが、本来は白です。
(2004.5.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
5001号ではありませんが、同じ1次型5011号の姫路寄り妻面。パンタグラフから来る高圧配管は3000系と同じく姫路寄りに下ろされています。下部はなぜか左右対称ではありません。
(2007.6.13 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
こちらも模型ファン必須の屋根配管。写真は5005号(現5802号)を神戸寄りから。現在見られないPK-55パンタグラフと、パンタ鍵外し装置一式が写っている貴重な写真です。ちなみに避雷器は現在のスタイルのものに交換後。
(2004.9.17 東二見駅 撮影:山陽電気鉄道)

こちらは3次車5021号ですが、姫路寄りパンタグラフ周辺。現在は見られない旧型の避雷器が写っています。ベンチレーターに車番が記入されていますが、模型化される方は是非再現を!
(2004.9.28 東二見駅 撮影:山陽電気鉄道)

次回以降も5000系の細部に迫ります。

【資料】山陽5000系を模型目線で見る!①

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電車の模型も大好きなむ~パパ。先日とある鉄道模型の集まりで、お友だちに真ちゅう板から切り抜いて山陽5000系の模型を自作している製作途中の車体を見せてもらいました。いや、それがまたよく出来ていまして、恐らくそのうちコンテストで賞を取って雑誌に掲載されるのでしょうが、このブログに載せる許可を得ていないので、また今度ということで。さて、今回はこういった模型を作る方々に必要だろうと思われる目線で、写真を何点か出してみます。出し惜しみするつもりは無いのですが、少しずつということで。今回は山陽電車を代表する5000系の神戸寄り先頭車5000号をご紹介しましょう。

5000系トップナンバー5000号の顔。3000系の流れを組みながら新しい感じに仕上がっています。1986(昭和61)年に登場し今年で36年になりますが、む~パパ的にはデザインが陳腐にならず、うまく6000系に引き継がれ、工業デザインとしては非常に成功した部類ではないかと思います。
(2014.6.15 大塩駅)
こちらも同じ5000号ですが、1次車にあたる7編成(5000~5012)は開口部の少ないスカートを付けていました。これは当時3両編成を2本つないで6両編成にする構想があり、密着連結器と電気連結器を装備して任意に増結・解放できるよう準備されていたためエアホースなどをつなぐ必要がなく、このような形状になっていたそうです。3両編成を2本つなぐという発想は6000系で本格化しましたが、電気連結器を用いて簡単に増結・解放するという形にはなっていません。
(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
5000号を山側から。旧タイプのスカートを付けていた頃。この編成は側面の方向幕がLED化されているほか、側面の窓柱が黒く塗装されており外観上の特徴となっています。また、この方向から見ると先頭部のスカートすぐ横に阪神線内用の列車選別装置が取り付けられていますが、もちろん登場時にはなく、直通特急の予備車として整備された際に取り付けられたものです。このような形で1両ずつ撮影したものを「形式写真」と言い、鉄道写真のひとつのジャンルです。
(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
同じ5000号を浜側から。3000系と同じく乗務員室は運転席側が広いため、左右非対称の側面デザインとなっています。このため乗務員扉(側開戸)の位置が山側とは異なっていますが、これは国鉄(JR)車両によく見られるものの、私鉄車両では数少ない作例と思われます。3000系の運転台部分が当時の国鉄車両を参考に製作されたため、これを5000系も引き継いでいるものと考えられます。
(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
模型ファンには必須の床下機器配置。こちらは山側。ブレーキ制御箱やコンプレッサーなど、いわゆる空気系の機器が配置されています。5000系は3000系と同じく1号車に補助機器が、2号車に制御器があり2両で1ユニットとなっているため、電動車ですが5000号が単独で走ることは出来ません。
(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)

こちらは浜側。SIV(静止型インバータ)やバッテリーなど電気系機器はこちらに配置されています。ちなみにSIV起動装置(SIVの右側)は交換され新しい形になっていますので、登場時の5000系を再現したい模型ファンには注意が必要です。
(2012.12.15 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)
(参考)5022号の浜側床下。5000号もSIV起動装置は登場当時この形でした。機器配置が時代を経て変化しているのが分かります。(2004.1.23 東二見車庫 撮影:山陽電気鉄道)

いかがでしたか?2号車以降も次の機会にご紹介しましょう!