せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

武庫川を歩いて(前編)

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お盆を過ぎ、秋の気配を感じる頃、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。

尼崎センタープール前駅

直通特急を乗り換えて着いたのは阪神電車の尼崎センタープール前駅です。駅前にはその名の通り、尼崎競艇場が広がっています。

大庄町

尼崎センタープール前駅から離れると、静かな住宅地が広がっていました。今では競艇場や市街地になっているこの辺りですが、かつては田園地帯で競艇場のある辺りには湿地帯が広がり、蚊などの害虫に悩まされていたそうです。また、センタープール前駅の周辺は道意新田、北側のこの辺りは東新田といった地名が古い地形図には記されています。

琴浦神社

大庄町の街中に佇んでいたのが琴浦神社です。

琴浦神社の境内

木々に囲まれた琴浦神社の境内には蝉時雨が降り注いでいました。

今は小さな神社ですが、神社の前の通りが「琴浦通り」と呼ばれていることからもわかる通り、琴浦神社は歴史ある神社です。かつては海に面した高台だったそうで、周辺とは異なる景勝地だったことから「異浦」とも呼ばれていたとのこと。神社の祭神は平安時代の嵯峨天皇の皇子・源融です。源融は光源氏のモデルとも言われていて、京都六条に造営した河原院という邸宅に今の宮城県の塩釜を模した庭園を造り、モデルにした塩釜と同様に庭園で塩を焼くため、毎日ここ琴浦から潮水を京都へ運んだそうです。今では市街地となり、そんなのどかな景色が広がっていたとは思えませんね。

琴浦通りを歩く

琴浦神社の前の琴浦通りはかつて中国街道と呼ばれていて、道路沿いには街道の風情を伝える塀が設けられていました。この道は武庫川に架かる武庫川橋へと続いていきます。

次回、もう少し武庫川沿いの街を歩いてみたいと思います。

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