彼岸に入り、暑さのやわらぎ始めた頃、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
山陽電車で着いたのは東二見駅。山陽電車の車庫や車両工場のある拠点となる駅です。
毎年10月末に開催される「山陽鉄道フェスティバル」でもお馴染みの駅ですね。
駅の周辺は浜国道が通り賑やかな雰囲気ですが、南の浜側へ向かって歩くと昔ながらの商店が建ち並ぶ街並みが続いていました。
浜側へ向かって歩いた先に立派な山門がそびえていました。こちらは観音寺という寺院です。
現在は観音寺という名のこの寺院ですが、もとは法船寺という名前でした。寺の名前が改められたのは江戸時代のことで、境内の観音堂に安置されている観音像にちなんでいるとのこと。この観音像は安土桃山時代の天正9(1581)年と江戸時代の寛政2(1790)年の二回も寺の堂宇を焼く火災に遭っていますが、いずれの火災でも観音堂は無事でした。そのことにちなんで、観音像は「火防観世音」と呼ばれているそうです。
観音寺の近くにあったのが長徳禅寺という臨済宗の禅寺で、こちらも安土桃山時代の創建と伝わる古刹です。
長徳禅寺の近くには清高大明神という小さな社が佇んでいました。
東二見は古くから播磨灘の漁業で栄えた地域です。昔ながらの町並みに社や古刹が佇む雰囲気はかつての賑わいを今に伝えるようですね。
次回はもう少し東二見を歩いてみたいと思います。