せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

新緑の長田を歩いて(後編)

投稿日:


こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前回に続いて、長田を歩いてみたいと思います。

苅藻川

長田神社を後にして、苅藻川に沿って歩くことにします。
川に木々の葉っぱが眩しいくらいですね。

長福寺

長田神社の広い境内の裏手にあったのは長福寺です。

明泉寺

さらに苅藻川をさかのぼった先が明泉寺町で、その名の通り明泉寺という寺院が佇んでいました。

明泉寺は臨済宗の禅寺です。ご本尊が大日如来であることから、「大日寺」という通称の方がよく知られています。住宅地の中にさりげなく佇んでいますが、歴史は非常に古く、奈良時代に行基によって創建されたと伝わっています。もともとの境内はこのさらに奥の古明泉寺と呼ばれる地区で、こちらの古明泉寺は現在では住宅開発されて大日丘と呼ばれています。古明泉寺が焼失したのが一の谷の合戦の際の寿永3(1184)年、現在の場所に再興されたのが南北朝時代の観応2(1351)年ですから、はるか中世に焼失した寺院の名称が現代の住宅地の名前として蘇っているようなことになりますね。

明泉寺の境内

明泉寺の境内も、眩しいような緑があふれていました。

明泉寺町の街並み

明泉寺を後にして、明泉寺町の街並みを眺めてみました。ちょうど、大日丘からのバスが坂道を駆け下りてきました。

長田から山手へ広がる街にはひたすら住宅が建ち並んでいますが、家並みの中には気の遠くなるような昔からのスポットが眠っています。これからの季節は雨が多くなりますが、梅雨の晴れ間には坂の街を歩いてみてはいかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。