せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

新緑の明石城を訪ねて(後編)

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こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前々回と前回に続いて、明石城を歩いてみたいと思います。

石垣の高低差

前回石段を上った辺りを眺めてみました。この辺りは本丸と二ノ丸をつなぐ部分にあたり、橋のように細くなっています。石垣の下を見下ろすと、結構な高さがあることに驚きます。もともとの山肌を削って作られたのでしょうが、すさまじい高低差に驚いてしまいますね。

明石城の二ノ丸

本丸の東隣に広がるのは二ノ丸です。明石城では本丸と同じ高さの二ノ丸が連なっていて、城の南北からの攻撃に備えるために櫓が設けられていました。本丸と同じくやはり櫓は現存せず、広く平らな空間が広がっています。

明石城の東ノ丸へ

低い土塁で二ノ丸と区切られているのは東ノ丸です。もとは全部が二ノ丸だったそうですが、後に分割されて三ノ丸となり、石垣の下の平地に三ノ丸が整備されてからは東ノ丸と呼ばれるようになったそうです。

東ノ丸からの眺め

東ノ丸からは三ノ丸方面からの攻撃に備えたとも言われていて、石垣の上からは明石の街並みと明石海峡大橋を眺めることができました。

近世に築城された明石城は明石や東播地域を広く治め、播磨灘を望む要衝の守備を担っていました。そんな城が役目を終えたのは近代に入った明治6(1873)年のこと。廃城となった城は大蔵省の所管となりましたが、後に民間に払い下げられて櫓の多くは解体されてしまいました。

明石城から明石市街を見下ろす

改めて、石垣の上から明石の市街地を眺めてみました。

明治に入り、広々とした明石城の二ノ丸や三ノ丸は学校の用地となるなど、城としての姿は失われていきましたが、後に明石公園として整備されたのはこれまでに見て来たとおりです。現在では明石の歴史を今に伝えるだけでなく、市街地の中に広がる緑地として、多くの方の憩いの場となっています。徐々に生活が戻りつつある中で、イベントも開催されるようになってきましたね。これからの季節、明石公園で歴史を感じながら、新緑や庭園を彩る花々を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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