せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

北摂の城下町・池田を歩いて(中編)

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こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前回に続いて、池田の街を歩いてみたいと思います。

西光寺

能勢街道から横道に入ったところに佇んでいたのは西光寺です。
もともとはこの地にあった「不断堂」と呼ばれる草庵が始まりで、寺院となったのは江戸時代とされています。

吉田酒造

西光寺の傍には造り酒屋の吉田酒造の建物がありました。
現在は大阪のベッドタウンの印象が強い池田ですが、近世には能勢街道によって大坂とつながり、物資の中継地として栄えていました。当時、大坂へ向かって北摂や能勢の奥の丹波の農産物や鉱産物が運ばれ、一方で、北摂の社寺を訪ねる参詣者も行きかい、池田の街は大変賑わったと言われています。当時の池田は宿場町としてだけでなく、日本酒の産地でもあり、当時は北摂の酒造業の中心地となっていたようです。この吉田酒造もその一つでした。趣のある建物は登録有形文化財に指定されています。

吉田酒造の梅

私が訪れたとき、吉田酒造の傍では鮮やかな紅梅の花がほころんでいました。

池田城を眺める道

吉田酒造の脇の道を進んでいくと、丘の上に城郭が見えました。近世には宿場町として栄えた池田ですが、中世にはこの地域の中心として城が築かれていました。次回は中世の池田の姿を思いながら歩いてみたいと思います。