せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

伊丹郷を訪ねて(後編)

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こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前々回、前回に続いて伊丹を歩いてみたいと思います。

猪名野神社

伊丹の街の北側に向かうと、大きな神社がありました。
こちらは猪名野神社です。

猪名野神社の境内

猪名野神社の境内は広く、歴史ある神社であることを感じさせます。

猪名野神社の歴史は古く、はるか古代の孝徳天皇の時代に創建された神社がこの地に遷座したのは延喜4(904)年とされています。これまで歩いてきた伊丹郷は街の北側に構えるこの神社を氏神としていて、「野宮」とも呼んでいました。今の猪名野神社という名前になったのは明治に入ってからです。

境内を歩く

本殿の周りは参拝客で賑わっていましたが、境内を奥へと歩いていくと古い神社ならではのしんとした空気に包まれます。

岸の砦跡

境内の外れには土手のようなものがありました。こちらは「岸の砦跡」と呼ばれています。

荒木村重が築いた有岡城の総構えは今の伊丹郷に広がっていて、ここ猪名野神社の境内が北端にあたりました。ここにあったとされるのが「岸の砦」と呼ばれる砦です。木々の合間にある土手が土塁の跡なのでしょうか。こうして広大な範囲に及んでいた有岡城ですが、織田信長の猛攻撃に落城し、近世には城もなくなったのは前回見てきたとおりです。

伊丹郷の街並み

再び伊丹郷の街に戻りました。
有岡城は、今となっては痕跡がわずかに残るだけになりましたが、かつての有岡城の総構えの跡には今の伊丹郷の街が広がり、酒造業が栄えて今の伊丹の姿が形作られていきました。空港の街とは違う伊丹を歩いてきましたがいかがでしたでしょうか。

世の中はまたまた大変なことになってしまいましたが、こんな時こそ、近場をゆっくりとお散歩してみてはいかがでしょうか。

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