せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

鶴林寺を訪ねて(後編)

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こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前々回・前回に続いて、高砂線の跡を辿って加古川の鶴林寺を訪ねてみたいと思います。

新薬師堂

境内にあったのは新薬師堂です。

ウインクする仏像

こちらの新薬師堂には薬師如来像とそれを護る十二神将像がおさめられていて、十二神将像のうちの摩虎羅大将像「ウィンクをしている仏像」として知られています。写真を撮るのは遠慮しましたが、実際に拝見するととてもチャーミングな姿でした。

太子堂

こちらは太子堂です。檜皮葺の屋根に蔀戸が巡らされた見るからに古い建物で、それもそのはずで、平安時代の天永3(1112)年に建てられた兵庫県内で現存最古の建物だそうです。ちょうどこの年は「鶴林寺」という寺号になった年ですね。前回紹介した聖徳太子が建てたとされる鶴林寺の始まりである「刀田山四天王聖霊院」の後継の建物とされるために太子堂と呼ばれているそうです。

常行堂

太子堂に似た蔀戸を巡らせた建物が境内にありました。こちらは常行堂です。こちらも太子堂と同時期の建築とされています。

非常に長い歴史を持ち、今も加古川を代表する寺院の鶴林寺ですが、かつてはさらに広大な寺領を持っていました。鎌倉時代から室町時代にかけて、太子信仰の広まりとともに寺領は広がり、数多くの寺坊を抱える大寺院となりました。

三重塔

太子信仰の広まりにより非常に大きな寺院となった鶴林寺ですが、その後は江戸時代にかけて寺領は減らされていき、明治の廃仏毀釈によって現在の大きさとなりました。境内で特に目立つ三重塔は鶴林寺が最盛期を迎えた室町時代の建築とされ、大寺院として栄えたかつての姿を今に伝えているようです。

かつては大寺院として栄え、今も加古川を代表する寺院で、現代的な楽しみもある古刹・鶴林寺。まだまだ大変な時期が続いていますが、感染症に注意しながら近場で楽しんでいただけるスポットではないでしょうか。

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