せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

西神の古刹・如意寺を訪ねて(後編)

投稿日:



こんにちは山陽沿線歴史部の内膳正です。
前回に続いて、西神の如意寺を訪ねてみたいと思います。

如意寺へ

仁王門から春の里を歩いていくと、如意寺の入口に着きました。

如意寺の境内

境内に入ると、広々とした敷地に文殊堂や三重塔が建ち並び、圧倒されてしまいました。現代的な西神南ニュータウンの近くにある寺院とはにわかには信じられなくなってしまいます。

古代に法道仙人によって開かれたとされる如意寺ですが、一時期荒廃し、平安時代の正歴年間に願西上人によって再興されたとされています。実際の創建時期はこの再興の時期だとも言われているようですが、詳しいことはわかっていません。そういえば、以前訪ねた明石の八木にあった来迎寺は奈良時代にここ如意寺で僧・行基が造った観音像をまつったことに始まるとされていたような…ということを考えると、より一層わからなくなってきます。ちなみに、発掘調査などからは12世紀頃の創建ではないかという説もあるようです。

三重塔

境内で目立つのは三重塔ですね。こちらは南北朝時代の至徳2(1385)年に建てられたとされています。

常行堂

境内の西には常行堂(阿弥陀堂)がありました。こちらは12世紀~13世紀の建築とされ、神戸市内では最古の建築物と言われています。境内にはこの他に本堂がありましたが、戦後に解体されてしまいました。そういえば、この常行堂と本堂、三重塔の位置関係は太山寺と同じですね。

本堂跡

常行堂の近くの本堂の跡地には、現在は礎石や灯篭、石段が残るのみで、ぽかんと空いた空間はどこか寂しげでした。本堂が残っていれば…と思うと少し残念な気にもなってしまいますが、残された立派な建造物や仁王門の位置からは、中世から近世にかけて、大寺院として大いに栄えた姿を今に偲ばせます。

西神南ニュータウンの中にまるで別世界のように静かに佇む古刹・如意寺。春のお散歩に訪ねてみてはいかがでしょうか。

ランキングに参加しています。
お出かけ前にクリックをお願いします!
にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへ にほんブログ村