せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

塚口御坊を訪ねて(後編)

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こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前回に続いて、塚口を歩いてみたいと思います。

長屋門のある道

塚口寺内は比較的最近まで寺内町の姿が残っていたため、今も風情ある景色が続いています。町中には長屋門のある立派な家も見かけました。

寺内町の風情

白い塀の続く道は周辺の住宅地とは違った趣ですね。

塚口御坊跡

「寺内町」
というからには中心となる寺院があるはずです。それがこちらの正玄寺です。かつてはこの場所に「塚口御坊」がありました。

塚口御坊が建立されたのは室町時代の応永16(1409)年のことです。性曇上人なる人物がこの地を訪れた際に病気になったためひと月ほど滞在。その時に入信した裕信なる人物によって御堂が建立されたことに始まります。その後、門前町の周囲に土塁を巡らし、寺内町としての姿を整えていくことになりました。

北町門跡

正玄寺から住宅地を歩いていくと、北町門跡に出ました。こちらら塚口寺内の北の端です。

強固な防衛設備を持った塚口寺内は、有岡城の戦いの際は有岡城の出城として使われ、織田信長軍が進攻してからは織田軍の拠点としても使われることとなり、城としても機能することになりました。近世に入ってからもこの土塁はしばらく残っていましたが、もはや戦闘に使われることはなく、一部が崩れ始めたことから撤去されてしまったそうです。今ではわずかに残った土塁に名残を感じるのみです。

塚口神社

町はずれまで歩くと、立派な神社がありました。こちらは塚口神社です。創建時期は不明ですが、一説では奈良時代の建立とも言われ、非常に歴史のある神社です。寺内町が生まれる前からこの地にあった神社は、大きく姿を変えてきた町の姿を今も見守っているのでしょう。

塚口というと、あまりイメージがわきにくいところではありますが、歩いてみると発見がありますね。
夏の日差しを浴びる神社を後にすることにしました。

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