せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

景勝地・敏馬の浦を歩く(後編)

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こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前回に続いて、灘区の岩屋を歩いてみたいと思います。

国道2号線

岩屋駅から海側に向かって歩くと国道2号線に出ました。行きかう車は多く、一大幹線道路という雰囲気です。かつてはこの道路上を阪神電車の国道線の電車が行きかっていました。

敏馬神社

国道沿いにあったのが敏馬(みぬめ)神社です。敏馬神社の創建ははるか昔の神功皇后の時代にさかのぼると言われています。神功皇后が三韓征伐に出発する際、敏馬神社の祭神の美奴売神のお告げを受けて勝利したのですが、その帰途、ちょうどこの辺りで船が動かなくなったそうです。船上で占いをしたところ、美奴売神のためであることが分かったためにこの地に祀ったのが始まりと言われています…と何だか、他でも聞いたことがあるようなお話です。

敏馬神社の境内

紅葉の名残の残る敏馬神社の境内は周辺の喧騒からは少し距離を置いたような静かな雰囲気です。美奴売神は海の神様で、神社の前は敏馬の浦と呼ばれる海が広がっていて、現在は国道やマンションの敷地になっているところにはかつて砂浜が広がっていました。この砂浜の辺りには明治時代に遊戯施設が設けられ、花街があったと言われています。岩屋駅を出ると料理屋が建ち並び、三味線の音が聞こえるなど、ちょっと今からは想像ができないような雰囲気だったとのこと。

海側を望む

神社から海側を眺めてみました。現在はマンションと阪神高速の高架橋で海を眺めることはできません。風光明媚な花街、神戸の街を支える工業地帯、そして住宅地へとこの100年余りの間に大きく変わった街並みを神社は変わらずに見守っています。

今年の更新は今回で最後です。今年も山陽沿線ブログ「せっつ・はりま歴史さんぽ」をご覧いただき、ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
みなさま、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

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