せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

須磨・大手を歩く(後編)

投稿日:



こんにちは山陽沿線歴史部の内膳正です。
前回に続いて須磨の大手地区を歩いてみたいと思います。

大手東トンネル

證誠神社のすぐ北側で堀割の中を走る山陽電車の線路を越えます。
歩道のすぐ東側にある線路を跨ぐ妙な構造物は「大手東トンネル」というトンネルだそうです。これがトンネル…?
この付近には戦前まで山陽電車の大手駅がありましたが、地下化工事などで痕跡は見当たりません。古い地形図を見ると、ちょうど神社の裏手に駅の記号が記されています。

東細沢谷川

大手駅跡から住宅地の中の坂道を上ることに。この道、緩やかにカーブして何だか怪しい雰囲気が漂っています。古い地図を見てみると予感的中で、ここはかつて東細沢谷川という小川が流れていたようです。現在でも上流では川として残っているようですが、下流のこの辺りでは暗渠にされてしまいました。

釿桐神社

暗渠の坂道を上っていくと小さな神社がありました。こちらは釿桐(おのぎり)神社という難しい名前の神社です。一般には子守神社と呼ばれ、子供の夜泣きを防いでくれる神社だそうです。現在は敷地の多くが地域の集会所のような施設になって神社は窮屈そうにしていますが、古い歴史があり、権現宮と勝福寺の中間に位置することもあり籠り堂として使われていたとも言われています。

山のお寺を見上げる

バス道を渡ると紅葉の残る山に勝福寺の屋根が見えてきました。東須磨や板宿の界隈は市街地化されているイメージですが、少し足を延ばせばこんな景色が広がっています。

勝福寺

坂道を登りつめると勝福寺に着きました。
以前にも訪れましたが、勝福寺は平安時代の永延2(998)年に創建された真言宗の寺院で、平安時代後期には平家から篤く信仰され、大輪田泊の経ヶ島造営にも協力したと伝わっています。

勝福寺からの景色

勝福寺の境内から街を見下ろしてみました。東須磨から随分と坂道を上ってきたので、須磨の町が小さく見えます。雲が低い妙な天気ですが、遠くに大阪湾の水面も眺めることができます。

須磨と板宿に挟まれてあまり目立たないこの辺りですが、勝福寺と権現宮から歩いてみると新しい景色が広がっています。冬のお休みには暖かい恰好でお散歩してみてはいかがでしょうか。

ランキングに参加しています。
お出かけ前にクリックをお願いします!
にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへ
にほんブログ村