せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

脇浜を歩く(前編)

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梅雨明けが待ち遠しいこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。

灘駅

今回のスタートはJRの灘駅
三ノ宮の隣にありながら小さな駅ですが、周辺は住宅や商店が立ち並ぶ市街地が広がっています。

不自然に並ぶマンション

駅の南側へ出ると、早速気になる光景が現れました。
一見普通のマンションのようですが、建っている向きが不自然です。この界隈の町割りは東西方向が海岸線に並行、南北方向がそれに直角に交わるようになっているのですが、このマンションはその法則を乱すかのように他の通と角度をつけて交わっています。

遊歩道

マンションから通りを隔てて遊歩道がありました。

この遊歩道はこの地を走っていた貨物線・神戸臨港線の跡を活用した遊歩道です。神戸臨港線は明治40(1907)年に当時は信号所で後に貨物駅に変更された東灘駅(現在の摩耶駅)と小野浜荷扱所(後の神戸港駅)の間に開業しました。貨物営業が中心の路線でしたが、戦前の一時期には神戸港からの航路の利用者のための旅客輸送の役割も担っていました。今はわずかな痕跡しかありませんが、世界へとつながる鉄道であったわけです。

鉄道の橋

桜の木々が並ぶゆったりとした遊歩道ですが、鉄道の痕跡だということを強烈に示しているのが国道2号線を跨ぐ架道橋です。他の橋梁が遊歩道化にあたって架け替えられている中、この国道の架道橋は鉄道の橋梁のまま。橋の上には架線が張られていた電柱も残されています。

残されたレール

国道を渡ると、遊歩道の片隅にわずかなレールが残されていました。赤錆びたレールが梅雨空の下の少し寂しげにたたずんでいます。

遊歩道の終わり

阪神高速の高架橋に行き当たったところで遊歩道は歩道橋となって途切れてしまいました。ここが終点のようですが、もちろん、神戸臨港線はこの先に続いています。次回はこの先の神戸港駅を目指してみたいと思います。

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