せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

第六十次式年造替・春日大社を訪ねて(後編)

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こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前回に引き続いて奈良の春日大社を歩いてみたいと思います。

回廊

境内の回廊には灯篭が並んでいました。春日大社の象徴的な景色で、海外でもよく取り上げられているためか多くの外国人旅行者がカメラを向けていました。

御蓋山浮雲峰遙拝所

境内の奥に行くと御蓋山浮雲峰(みかさやまうきぐものみね)遙拝所がありました。こちらは回廊の裏で禁足地なのですが、第六十次式年造替に伴い期間限定で特別公開されています。

御蓋山浮雲峰は春日大社の背後にそびえる御蓋山の山頂で、春日神のうちの一柱である武甕槌命(たけみかづちのみこと)が白鹿に乗って降り立った場所とされています。山は古くから禁足地とされ、入山は厳しく制限されています。この遙拝所は山の尾根筋にあり、鳥居から山頂を望むことができるとのこと。山頂には武甕槌命を祭る本宮神社があるそうで、ここが春日大社のルーツともいえましょうか。なかなか興味深いところですが、残念ながら、毎年1月の「嘉例ノ本宮登拝」を除いて一般の人間が参拝することはできません。

奈良の鹿

春日大社の参道を歩いていると、鹿を見かけました。街中をこんな大型の動物が歩いている光景が見られるのは奈良の他ではインドの牛くらいでしょうか。この鹿たちは春日大社の背後の山々に棲む野生の鹿で、春日神の使いとして古くから大切にされてきました。この鹿のいる景色も奈良独特ですね。

飛火野より

春日大社を後にし、飛火野から山々を眺めてみました。春日大社の背後には御蓋山をはじめ春日山原始林が広がっています。これらの森は古くから神域とされ、木々の伐採や殺生が禁止されてきました。人口36万人の都市に隣接して人の手のほとんど入らない原始の森林が広がっているのは奈良独特ですね。そのためもあってか、春日大社だけでなく春日山原始林も「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されています。

明日1月9日は御蓋山浮雲峰に武甕槌命が降り立った日とのこと。
観光地であるだけではない、神秘的な雰囲気の奈良を訪れてみてはいかがでしょうか。

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