せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

梅小路を歩く(後編)

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こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前回に引き続き、京都は梅小路を歩いてみたいと思います。

京都水族館

公園内にあるのは京都水族館。オオサンショウウオの展示で有名な、京都で話題のスポットです。

京都市電が

水族館の傍で発見したのは、なんと、路面電車。しかも、走っています。
こちらは元京都市電の27号車。かつて京都駅前と北野天満宮前の北野を結んでいた北野線で運行されていた車両で、さらにもとをたどれば明治28(1885)年に京都駅付近と南の商業都市・伏見との間に日本で最初の電車を走らせた京都電気鉄道の車両です。この車両が造られた年代ははっきりとわかっていないようですが、一説によると明治43(1910)年と言われています。ということは、山陽電車の前身の兵庫電気軌道と同世代の車両ということになります。兵庫電気軌道の車両は今はもう残っていないのですが、同世代の車両が公園の一施設とはいえこうして走っているのは何だか不思議な気分になります。ちなみに、こちらの27号、かつては普通の電車と同じく架線から電気を取って運行されていたのですが、昨年リニューアルされて今はリチウム電池のバッテリーで運行されているとのこと。

市電広場

路面電車が走る傍には「市電広場」なる一角が。
こちらにはその名の通り京都市電で活躍した車両が保存されています。

京都市電は明治45(1912)年に烏丸通や四条通などに路線を開設して誕生しました。その後、先述の京都電気鉄道を買収して路線を拡大、京都の市街地に網目のように路線を広げていきました。しかし、利用者の減少や自動車の増加によって道路が混雑するようになったことなどの理由から順次路線が廃止されていき、昭和53(1978)年には最後に残った市街地の外周を走る路線が廃止され、日本で最初に電車が走った京都から市電は姿を消しました。市電の代替にバスが運行され、後に地下鉄が整備されていったのですが、観光シーズンには大混雑する道路と遅れに遅れて運行されているバスを見ていると、市電を廃止したのが正しい選択だったのかは疑問に思えてしまいます。

市電の雰囲気を味わう

市電広場に保存されている車両は店舗となっているのですが、一部の車両は車内がそのまま保存されていて当時の雰囲気を味わうことができます。私が生まれた頃には神戸市電も京都市電もとうの昔になくなっていたのですが、こうして市電の車内を見てみると何となく懐かしい気がしてしまいます。

前回も案内しましたように、梅小路公園では来年春に「京都鉄道博物館」の開館が予定されています。市電広場も合わせればなかなかな「鉄」な公園になりそうですね。
京都の歴史散策と合わせて、訪れてみるのはいかがでしょうか。

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