せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

屏風ヶ浦海岸を歩く

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山陽電車の沿線には歴史的な大発見だったかもしれないスポットがあります。
屏風ヶ浦海岸にある「明石原人発見地」です。

中八木駅で降り、少し歩くと目の前に海が広がります。
この辺りは「屏風ヶ浦海岸」と呼ばれていますが、「屏風ヶ浦」の名前の由来は瀬戸内海の波に洗われて古代の地層が露出し、切り立った断崖がまるで屏風のように見えることからその名がついたそうです。

屏風ヶ浦海岸


屏風ヶ浦海岸を歩くと、少し高台に小さな神社があります。
住吉神社です。

住吉神社からの景色


鳥居越しに海がきれいで気持ちいいです。

アカシゾウ発掘地


アカシゾウは、120万年前~180万年前に日本列島にすんでいたゾウの一種です。
昭和35年に中学生がこの屏風ヶ浦海岸でゾウの牙の化石を発見し、6年間にも渡って発掘を続けたそうです。

明石原人発見地


1931年に明石の大蔵谷に住む直良信夫がこの屏風ヶ浦海岸で成人男性の腰骨を採集しました。これを東京帝国大学に送り、鑑定を依頼しましたが、特に評価もされず返送されたそうです。直良はその後東京に転居しますが、大切に保管していたこの人骨は空襲により失われました。
戦後、東京大学の教授が残っていたこの人骨の石膏模型を検討した結果、原人の骨であるとして「明石原人」と名付けられました。
発見地は何度か発掘調査が行われましたが、特に他の人骨や石器は出土しなかったようです。
とにかく実物が失われているので、その後に様々な研究が成されましたが、原人ではなく、縄文時代から現代までのいずれかの時代の人骨だと評価されていきます。

ただ、1985年に国立歴史民俗博物館の発掘調査で人骨は発見されませんでしたが、人間によって加工された木材片が発見され、ネアンデルタール人級の人類である可能性が高まりました。

実物があればというところですが、真実は闇の中にというところでしょうか。

 

歴史スポットも多くある風光明媚な屏風ヶ浦海岸にぜひ足を運んでみてください。

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A:山陽電車 中八木駅
B:八木公園(アカシゾウ発掘地)
C:明石原人発見地
D:住吉神社

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