楽しいむ〜さん一家

【大阪】安治川トンネルと九条周辺を歩く【阪神なんば線】

投稿日:


む~パパ高校生の頃、NHKで「匂いガラス」なるドラマ(唐十郎作 1986年放映)を見て、安治川トンネルという川底を通るトンネルの存在を初めて知ったのです・・・。とは言え、実はそのまま30年以上忘れてたのが最近、大阪市営渡船を回ったりした関係でふと思い出し、ちょっと周辺を歩いてみました。

阪神電車西九条駅。現在は阪神なんば線の中間駅で、JR環状線・桜島線と接続しています。2009(平成21)年の全通までは「西大阪線」の終着駅でした。当時はJR線を越えるため高い場所にある駅が途中でちょん切られたような形をしていましたが、西九条駅開業40年以上を経て大阪難波まで線路がつながり、当初計画が実現しました。む~パパとしては非常に感動したものですが、あの近鉄と阪神の線路がつながった日から14年とは、月日の経つのは早いものです。
さて、阪神なんば線の線路に沿って九条方向へ少し歩くと、ビルのような建物が見えてきます。これが安治川トンネル北側のエレベーター建屋。阪神電車は橋梁で安治川を渡っています。

水都と呼ばれる大阪。安治川は市内南西部にある多くの河川の一つで、水運が盛んなため架橋出来なかったことから市内の他の河川と同様、渡船が行き来していました。安治川の場合、多数の船が航行するため渡船も危険ということで、代替手段としてトンネルが設けられました。完成は1944(昭和19)年。空襲にも耐え現在も多くの人々に利用されています。

エレベーターを利用する自転車の方々。かつては自動車を載せるエレベーター(上写真左側の大きな入口)もありましたが、渋滞が激しくなったのと周辺に架橋が進んだため、現在は使用されていません。
川底を通るトンネル。長さは約80mで日本初の沈埋工法(あらかじめ作られたトンネル部分を川や海の底に沈めて土で埋める)で作られたものです。
こちらが南側のエレベーター建屋。都市部の川辺によくある殺風景な場所です。ちなみに歩行者は階段も利用できます。
かつてここには渡し舟がありました。交差点「源兵衛渡」という名前だけが残っています。後ろの高架は阪神なんば線。
安治川トンネル南側のエレベーターを降りると、そこは九条の商店街。庶民的な親しみやすい雰囲気にあふれています。写真の右側は阪神なんば線の高架。急角度で地下へ降りていくのが分かります。
騒音など環境対策なのでしょう。高度を下げる阪神なんば線の高架はカバーが掛かっていて中を通る電車の姿はほとんど見ることが出来ません。町の中を巨大な構築物が通過していますが、すでに日常の風景になっていることでしょう。
阪神なんば線が地下へ完全に潜る地点。高架上を走るのは大阪メトロ中央線。両線は九条駅で接続しています。大阪・関西万博会場へのメインルートとなる大阪メトロ中央線。山陽沿線からはこの九条駅で乗り換えるのが最も便利ということになるでしょう。
九条商店街から少し路地へ足を向けると、下町らしいカメラを向けたくなる空間が広がっていました。

【秘境】霞ヶ丘駅

投稿日:



「秘境駅」とは大雑把に言えば山奥や原野など周囲に人家がなく、また自動車など乗り物で到達する道がないのでアプローチしにくい、など「なぜそこにあるのか分からない駅」のこと。もちろん乗り降りする人はほとんどいません。

その一つが「霞ヶ丘駅」!        
ホームは階段状です。屋根はなく(最近まであったらしいですが)、もちろん改札も何もありません。眼下に遠くの町が見えます。はて、ここはどこでしょう?

あ、もちろん山陽電車の霞ヶ丘駅ではありません。近鉄の霞ヶ丘駅です。奈良県の生駒駅(鳥居前)から宝山寺を経由して生駒山上へ向かうケーブルカー(生駒鋼索線)の途中駅として存在しています。ケーブルカーの途中に駅があるというのも珍しいですが、これは宝山寺奥の院への最寄駅「梅屋敷駅」を設けたところ、つるべのように2両がつながったケーブルカーのこと、一つが止まればもう一つも止まるために、もう一つが止まる場所にも駅を作ったとのこと。そこは生駒山中の何もない場所。人家ももちろん無く、登山道が駅に向け分岐しているに過ぎません。

「なんだ、ケーブルの駅か!」と侮ることなかれ。開業は1929(昭和4)年3月。山陽電車の霞ヶ丘駅は1964(昭和39)年6月に開業していますので、実は山陽電車の駅より35年も長い歴史があるんですね。今のところ全国に「霞ヶ丘」という名前の駅は山陽電車と近鉄の2つだということです。

さて、近鉄霞ヶ丘駅にはホームに行くための踏切があります。遮断機こそありませんが、立派な警報機が立っています。この写真で見るとおり、レールはものすごい傾斜。さすがケーブルカーです。ちなみに線路の間にケーブルが通っていますが、警報機が鳴り始めるよりケーブルが先に動き始めます。前触れなく突然動くので通行の際には十分ご注意を!

なお、ここで活躍するケーブルカーはケーキの形をした「スイート」とピアノの形の「ドレミ」。2000(平成12)年に登場しました。

生駒山上遊園地。小さな子供が楽しめる遊具を多く揃えた家族向け遊園地です。この飛行塔は開業時から残る唯一の施設で、ケーブルカーと同じ1929(昭和4)年からあります。日本で最も古い飛行塔として有名な存在。

生駒山上から大阪方面。この日は春らしい穏やかな天気に恵まれましたが、遠くは霞んでいて、本当は見えるはずの六甲山も何も見えませんでした。写真中央左寄りに「あべのハルカス」がぼんやりと見えるのが精一杯です。

生駒のケーブルカーは生駒(鳥居前)~宝山寺と宝山寺~生駒山上で別々の線になっており、途中で乗り換えないと山上まで行けません。また下側の路線は珍しい複線のケーブルカー。写真のように行き違い設備も2組並んでいます。このようにケーブルカーが2つ並んでいるのは日本でもここだけです。(通常期はこのうち1本のみ運転しています。)

下側の路線(宝山寺1号線といいます)で活躍するのは犬の形をした「ブル」と猫の「ミケ」。なかなかインパクトのある外観をしています。

さてさて、「生駒なんて山陽沿線から遠いやん。」なんて思っていませんか?
いえいえ、山陽沿線からは阪神梅田行き直通特急で阪神神戸三宮まで乗り、奈良行き快速急行に乗り換えるだけです。山上で飲んだビールは旨かったな~。

近鉄沿線へも!山陽電車でお出かけください。その前にクリックご協力願います。
にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村