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【秘境】霞ヶ丘駅

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「秘境駅」とは大雑把に言えば山奥や原野など周囲に人家がなく、また自動車など乗り物で到達する道がないのでアプローチしにくい、など「なぜそこにあるのか分からない駅」のこと。もちろん乗り降りする人はほとんどいません。

その一つが「霞ヶ丘駅」!        
ホームは階段状です。屋根はなく(最近まであったらしいですが)、もちろん改札も何もありません。眼下に遠くの町が見えます。はて、ここはどこでしょう?

あ、もちろん山陽電車の霞ヶ丘駅ではありません。近鉄の霞ヶ丘駅です。奈良県の生駒駅(鳥居前)から宝山寺を経由して生駒山上へ向かうケーブルカー(生駒鋼索線)の途中駅として存在しています。ケーブルカーの途中に駅があるというのも珍しいですが、これは宝山寺奥の院への最寄駅「梅屋敷駅」を設けたところ、つるべのように2両がつながったケーブルカーのこと、一つが止まればもう一つも止まるために、もう一つが止まる場所にも駅を作ったとのこと。そこは生駒山中の何もない場所。人家ももちろん無く、登山道が駅に向け分岐しているに過ぎません。

「なんだ、ケーブルの駅か!」と侮ることなかれ。開業は1929(昭和4)年3月。山陽電車の霞ヶ丘駅は1964(昭和39)年6月に開業していますので、実は山陽電車の駅より35年も長い歴史があるんですね。今のところ全国に「霞ヶ丘」という名前の駅は山陽電車と近鉄の2つだということです。

さて、近鉄霞ヶ丘駅にはホームに行くための踏切があります。遮断機こそありませんが、立派な警報機が立っています。この写真で見るとおり、レールはものすごい傾斜。さすがケーブルカーです。ちなみに線路の間にケーブルが通っていますが、警報機が鳴り始めるよりケーブルが先に動き始めます。前触れなく突然動くので通行の際には十分ご注意を!

なお、ここで活躍するケーブルカーはケーキの形をした「スイート」とピアノの形の「ドレミ」。2000(平成12)年に登場しました。

生駒山上遊園地。小さな子供が楽しめる遊具を多く揃えた家族向け遊園地です。この飛行塔は開業時から残る唯一の施設で、ケーブルカーと同じ1929(昭和4)年からあります。日本で最も古い飛行塔として有名な存在。

生駒山上から大阪方面。この日は春らしい穏やかな天気に恵まれましたが、遠くは霞んでいて、本当は見えるはずの六甲山も何も見えませんでした。写真中央左寄りに「あべのハルカス」がぼんやりと見えるのが精一杯です。

生駒のケーブルカーは生駒(鳥居前)~宝山寺と宝山寺~生駒山上で別々の線になっており、途中で乗り換えないと山上まで行けません。また下側の路線は珍しい複線のケーブルカー。写真のように行き違い設備も2組並んでいます。このようにケーブルカーが2つ並んでいるのは日本でもここだけです。(通常期はこのうち1本のみ運転しています。)

下側の路線(宝山寺1号線といいます)で活躍するのは犬の形をした「ブル」と猫の「ミケ」。なかなかインパクトのある外観をしています。

さてさて、「生駒なんて山陽沿線から遠いやん。」なんて思っていませんか?
いえいえ、山陽沿線からは阪神梅田行き直通特急で阪神神戸三宮まで乗り、奈良行き快速急行に乗り換えるだけです。山上で飲んだビールは旨かったな~。



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