せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

大和田・出来島を訪ねて(後編)

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こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前回に続いて、阪神なんば線出来島駅周辺を歩いてみたいと思います。

大和田の街並み

大和田港から大和田の街を歩いてみることに。今は大和田も出来島も町がつながっていますが、古い地図を見ると、近世に新田開発で生まれた出来島は一面田んぼが広がっていたのに対し、大和田川の左岸の大和田は民家が建ち並び、賑わっていたようです。

大和田住吉神社

大和田地区の北の端にあったのが大和田住吉神社です。こちらは鎌倉時代の正和9(1320)年の創建という古い神社です。

万葉歌碑

境内には万葉集の歌碑がありました。中州を新田開発した出来島に対し、大和田は古くから集落になっていて、「大和田の浦」などと歌に詠まれていました。

大和田城跡

住吉神社から少し歩くと小学校がありました。この小学校の敷地内には大和田城跡の石碑があるようです。

大和田城がいつ造られたかはわかっていないようですが、中世頃に築かれた砦であったものが石山本願寺の支城となったようです。天正3(1575)年、織田信長が今の大阪城の位置にあった石山本願寺を攻めた石山合戦の際には荒木村重がこの支城を攻略、改築したうえで本願寺攻略の拠点としました。大坂の陣頃まではこの城はあったといわれていますが、その後廃城となり、城跡は市街地となってしまったために痕跡も残っていません。今となってはどの程度の規模の城だったのかも謎とされています。

出来島駅へ

大和田をぐるっと回って出来島駅に戻ってきました。出来島、大和田は今では静かな住宅地ですが、ゆっくりと歩いてみれば、景勝の地であり、大坂の攻略・防衛の上で重要な拠点だったかつての面影を感じることができます。春のお出かけには、出来島で途中下車はいかがでしょうか。

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