せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

修験の山・布引山を歩いて(前編)

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師走の頃、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。

新神戸駅

今回訪ねたのは新神戸駅
言うまでもなく、新幹線と地下鉄の接続駅で、現代の神戸の玄関口とでもいえる駅です。ただし現代的な駅の様子から歴史っぽいものはあまり感じられません…。

新生田川

駅を出ると新生田川に架かる橋に差し掛かりました。
川の上流には新幹線の新神戸駅を眺めることができ、その向こうにはすっかり冬景色の六甲山地が続いています。今回はここからさらに東の方へと向かうことにしました。観光客で賑わう西側の北野地区とは対照的に、熊内町と呼ばれる東側の地区は住宅地が広がり静かな雰囲気です。

瀧勝寺

住宅地の中に小さな寺院を見つけました。こちらは瀧勝寺、通称「瀧寺」という真言宗の寺院です。

この界隈で「瀧」というと新神戸駅裏の布引の滝を思い浮かべてしまいますが、まさにその通りで、この寺院は飛鳥時代の終わりの文武天皇元(697)年頃、修験道の創始者と伝えられる役小角が布引の滝で修業中に馬頭観音が顕れたことからこの地に寺院を建立したとされています。もともとは布引山の中にあったようで、一時は70もの僧坊や末寺が建ち並ぶ修験道の大道場だったようですが、中世に戦乱に遭ってこの地へ移り、現在の建物は戦災で焼失した後に建てられたものです。

新幹線を越えて

瀧勝寺から坂道を上っていくと鳥居が見えてきました。

新幹線を眺める

鳥居の前の陸橋から金網越しに下を覗いてみると、なんと新幹線の新神戸駅を見下ろすことができました。ちょうど、東京への列車が発車し、六甲トンネルの闇の中に消えていきました。役小角を訪ねて歩いていると思ったら急に現代へ放り出されたようで何だか不思議な気分になってしまいましたが、さらに歩いていくことにしましょう。

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