せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

塩屋を訪ねて(後編)

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こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。
前々回、前回に続いて塩屋を歩いてみたいと思います。

坂の町

前回、毘沙門堂を訪ねて想像以上のハードさにヘロヘロになってしまったのですが、そんな私にも塩屋の町は容赦することはありません。駅からちょっと山手のほうへ向かってみるとこの坂道…。塩屋は坂の町です。

町を見下ろす異人館

坂の上にあったのは立派な異人館でした。神戸の異人館といえば北野地区が全国的にも知られていますが、ここ塩屋地区も知られざる異人館街です。明治の末頃から昭和初期にかけて、多くの洋館が塩屋から滝の茶屋にかけての一帯に建設されました。こちらの異人館はその一つですが、非公開であまり情報はありません。

旧ジョネス邸

山陽電車とJRを潜ったところにあったのが旧ジョネス邸です。大正8(1919)年の建築で、大阪湾を望むなかなか趣ある異人館だったのですが、マンションの建設のために取り壊されてしまいました。写真は取り壊される前に撮影したものです。

旧グッゲンハイム邸

塩屋地区で一番目立つのがこちらの旧グッゲンハイム邸でしょうか。山陽電車の山側に静かに佇む異人館で、名前からわかるようにドイツ人貿易商が建てたもので明治42(1909)年の建築とのこと。現在は塩屋在住の個人が所有・保存しているようで、月に一回の一般公開がありますが、訪問時は一般公開日ではなく、何だかイベントを開催しているようだったので、門からこっそりと覗くのみ…。機会があれば、訪れたいものです。

塩屋地区の異人館の始まりは山陽電車の滝の茶屋駅にほど近いところにイギリス人貿易商のアーネスト・ウイリアムス・ジェームスなる人物が邸宅を設け、周辺が「ジェームス山」と呼ばれるようになったため…という説もあるようですが、このジェームス邸が造られたのが昭和9(1934)年とこの辺りの異人館では比較的新しい方で、それがきっかけなのか何なのかよくわかりません。グッゲンハイム邸の海を望む立地を考えると、貿易港の神戸から程近く景観もよい場所だった塩屋地区に外国人貿易商が別荘を建てだしたのがきっかけなのでしょうか。

グッゲンハイム邸と山陽電車

グッゲンハイム邸の前には山陽電車の踏切があり、ちょうど電車が通りかかりました。時間帯が悪く、逆光になってしまったのですが、異人館と山陽電車とのショットは塩屋地区を象徴するような景色に思えますね。

小粒ながら飽きさせない魅力がたくさんの塩屋地区を満喫し、山陽電車の車中の人となることにしました。

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