せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

三つの「湯沢山茶くれん寺」(前編) 姫路市法輪寺

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気候の良い季節となってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、山陽沿線歴史部の内膳正です。

今回のスタートは姫路駅
姫路駅前では引き続き、再開発の工事中です。

地下道建設中?

デッキ上から広場を眺めると、何やらトンネルのようなものを建設中。
何かの地下道でしょうか…?
いずれ貴重な光景になりそうなのでカメラに収めておくことに。

法輪寺

姫路駅から着いたのは姫路の市街地の西のはずれにある法輪寺という寺院。
歩いて30分程ですが、姫路駅からバスもあります。
法輪寺は臨済宗の寺院で、創建時期は詳しくはわかっていないようなのですが、平安時代頃とのこと。中世には英賀三木氏から厚い尊崇を受けたとされるなかなか由緒のある寺院です。

「湯沢山茶くれん寺」の石碑

歴史のある立派な寺院ですが、門前には「湯沢山茶くれん寺」 と書かれた石碑が。
何だかダジャレのようですが、これは一体…?

寺に伝わる話によると、天正8(1580)年、三木城を攻め落とし、英賀へと兵を進める秀吉の一行が当時「宝林寺」と呼ばれていたこの寺に立ち寄りました。
茶を所望する秀吉に住職が出したのは白湯。白湯ではなくそこでたぎっている茶釜の茶が欲しいという秀吉に対して居合わせた村の庄屋は「これは秀吉公に出す茶なので差し上げられない」と答えました。軽装の武士を庄屋や住職は秀吉と気づかなかったようです。

秀吉の腰掛石

秀吉は「我こそ秀吉也」と高笑い。
失礼に気づいて平伏する庄屋たちに対して九石九斗九升九合の朱印とともに、湯がたくさんあるのに茶をくれない寺であるとして「湯沢山茶くれん寺」 という寺号を与えたと言われています。
境内には秀吉が腰掛けたと言われる石があるのですが、これは平成25(2013)年に復元されたものです。

三つの「湯沢山茶くれん寺」

何だか秀吉らしいユーモアあふれるエピソードですが、実は、この「湯沢山茶くれん寺」の名前をもつ寺院は法輪寺だけではありません。
軽く調べてみたところでは、関西に三つくらいありそうです。
ちょっと気になるところですので、次回から「湯沢山茶くれん寺」追いかけてみたいと思います。

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