せっつ・はりま歴史さんぽ|山陽沿線歴史部

古代の垂水へ~五色塚古墳・石谷の石窟を探る

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残暑の頃、いかがお過ごしでしょうか。
山陽沿線歴史部の内膳正です。

垂水近辺にお勤め、お住まいの方なら、垂水駅西口バスターミナルを発着する山陽バス1系統の一回り小さなバスを見かけたことがあると思います。
その1系統はどこへ向かうのかというと…、

住宅街を行くバス

こんな車がすれ違うのもやっとの細い道を通って住宅街を巡っていきます。
1系統ではほぼ全線が見通しの悪い狭い道路を走るため、なんと、1997年まで車掌が乗務していました。
バスの車掌さんって、一応現代っ子の私は「となりのトトロ」で出てきたなぁくらいしかイメージがありません…。

霞ヶ丘交番前

垂水駅から二つ目の霞ヶ丘交番前で下車。
路地を歩いていくと、姿を現したのは…、

五色塚古墳

五色塚古墳です。

明石海峡を見下ろす台地に築かれた五色塚古墳は兵庫県下最大の前方後円墳とされ、全長は193mもあります。 現在は神戸市が管理しており、葺石や埴輪が復元され、築造当時の姿が再現されています。埋葬者は明らかになっていませんが、4世紀の末にこの地を治めた豪族だと考えられています。ちなみに、「五色塚」という名称の由来には諸説あるようですが、『日本書紀』に淡路島から石を運んだとの記述があり、五色浜(淡路島西部)が由来という説が有力です。ただし、発掘調査の結果では、五色塚古墳に使用されている石は淡路島東部のものらしく、何だか結局よくわかりません。

ちなみに、同じく山陽沿線ブロガーのたいたいさんも先日訪問されたそうです。よろしければご参照ください(こちら)。

明石海峡を見下ろす

後方部の墳丘に上ってみると、明石海峡の景色が広がります。
ちょうど天気がよく、淡路島が手に届きそうなくらい近くに見えました。
ここに葬られた豪族は、今も昔も海上交通の要所になっている明石海峡に巨大な墳墓を築き、死後もその権力を示したのでしょうか。

小壺古墳

五色塚古墳に隣接して小壺古墳という円墳があります。五色塚古墳と比べてしまうと小さいのですが、 こちらもきれいに整備されています。五色塚古墳とほぼ同時期に築造されたようなのですが、こちらには葺石がなかったようで、当時もこのような姿であったと言われています。

2系統のバス

五色塚古墳から、一旦、垂水駅に戻り、今度は2系統のバスに乗り換えます。
2系統が走る商大筋はかつては交通量が多い割に非常に狭い難所で、ここを経由するバスでも1997年まで車掌が乗務していました。現在は並行して流れていた天神川を暗渠化して道路用地にするなどの整備事業が行われて通りやすい道になりましたが、かつての道の一部が旧道として残っており、今も垂水駅行きのみの9系統のバスがこちらを経由しています。かつての商大筋の雰囲気を味わいたいという方は是非9系統にも乗ってみてください。

舞子墓園前

2系統のバスを舞子墓園前で下車。
墓園の中を歩いていくことにします。

石谷の石窟

墓園の中に公園のような広場がありました。
ここが舞子古墳群、通称「石谷の石窟」です。

石谷の石窟は6世紀頃にこの地に築造された古墳の総称です。
小さな古墳が30基程度があるとされていますが、現在見られるのは6基ほどで、墳丘の土が流されてしまったために今は石室が露出しています。奈良・飛鳥の石舞台古墳を小さくしたものとでもいうべきでしょうか。かなり風化していて、案内看板がなければ見落としてしまいそうになります。それにしても、古代の墳墓があったところが現代の墓園になっているとは、偶然なのでしょうが何だか面白いですね。

再び明石海峡を望む

小高い丘の上にある石谷の石窟からはやはり、明石海峡が望めます。
この古墳群の埋葬者も明らかになっていませんが、明石海峡周辺に権力を持っていた人物だったのでしょうか。

垂水周辺にはこのほかにも大小さまざまな古墳が存在するようです。
ブログをご覧の皆さんも古代の垂水を探ってみませんか?

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●五色塚古墳
A:山陽電車垂水駅

B:霞ヶ丘交番前停留所(垂水駅より山陽バス1系統歌敷山中学校前行きで2分)
C:五色塚古墳

大きな地図で見る

●石谷の石窟
A:山陽電車垂水駅

B:商大筋旧道
C:舞子墓園前停留所(垂水駅より山陽バス2系統清水が丘行きで8分)
D:舞子古墳群(石谷の石窟)

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